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ごあいさつ

このたぴ「古伊賀と桃山の陶芸展」を開催いたします。本展は,水指や花生など桃山時代から江戸時代初期にかけての古伊賀の作品50点と,中世に遡る伊賀地方から出土した壷類,窯跡から採取された陶片によって,舌伊賀の世界を紹介するとともに,古伊賀と同時期の信楽,丹波,備前,美濃の織部・志野・黄瀬戸,唐津,上野,高取などの桃山時代の陶芸作品86点をあわせて展示し,多彩な桃山時代の陶芸の世界を展望しようとするものです。

桃山時代から江戸時代にかけて,茶の湯と関係して,伊賀国で焼かれていた水指や花生などの陶芸作品は,古伊賀とよばれて,古くから,茶の湯道具として,また卓越した造形性を備えた陶芸作品として,高い評価を得てきました。それらは,伊賀地方に産する陶土を用いて,歪みの多い独特の器形をつくり,箆によって自由奔放な装飾が施されて,高火度の窯で焼成されます。その結果,青翠色の菜しいピードロ釉や黒々とした焦げ目が表面に生じ,豪壮な風格をもつ陶芸作品が生まれることになります。

このような古伊賀の陶芸は,豊かな造形的魅力をもちながらも,その誕生の具体的な歴史やその後の展開については,窯跡の学術的な発掘調査が行われていないこともあり,作風の変遷や信楽焼との関係を初めとして.今後解明すべき問題が数多く残っています。

今回の展覧会は,陶磁史研究家の満岡忠成氏,林屋晴三氏,矢部良明氏から協力を得て,可能な限り充実した内容となるよう準備を進めてまいりました。本展を通じて,多くの皆様方に古伊賀をはじめとする桃山時代の陶芸作品の豊かな造形の世界をご覧いただき,またこの機会に,謎の多い古伊賀の研究が,一歩でも進展することを念願しております。

最後に,本展開催に当たり,貴重な作品を快くご出品いただいた全国の美術館,博物館,個人所蔵家の皆様,ご支援をいただいた関係各位にあつくお礼申し上げます。

1989年9月

三重県立美術館
(財)岡田文化財団
朝日新聞社

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