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あいさつ

激しく交錯する苦悩と歓喜の人生を生きたポール・ゴーギャン(1848−1903)は、35歳という年齢に達してから株式仲買いの安定した職業を捨て、画家の道に身を投じました。しかし、作品は売れるはずもなく、数年のうちにパリを離れ、家族とも離別して窮迫の身を流浪にさらさねばなりませんでした。

1886年、ブルターニュ半島の小村ポン=タヴァンにたどりついたゴーギャンは、この地方の自然の壮大さや、人々の生活にねざした古い伝統や宗教の独特な雰囲気に魅せられ、作品も印象主義的なものから彼独自の画風へと変化していきました。彼はそこで出会ったエミール・ベルナールとともに新しい絵画活動を展開。更に、当時この地で作品を制作していたシャルル・ラヴァル、ポール・セリュジエ、モーリス・ドニ等がこれに加わって、後にポン=タヴァン派と呼ばれるグループを形成することになったのです。89年にカフェ・ヴォルピーニで開いた展覧会で、輪郭線を強調した形態や強い色彩を駆使して象徴的な主題を表現した彼らの作品は、大反響を呼びました。

セリュジエがゴーギャンに指導をうけて描いた一枚の絵が、20世紀に先駆けて史上最も早い抽象絵画となり、モーリス・ドニの唱えた絵画理論が、20世紀美術の性格を基本づけるような宣言となるなど、この時代のゴーギャンとポン=タヴァン派の活躍は今世紀の美術に大きな影響を与えています。本展は、ゴーギャンの作品を中心に、エミール・ベルナール、ポール・セリュジェ、モーリス・ドニなどの作品約130点で構成。印象主義から象徴主義へ、そしてそれらを越えて今世紀の美術への足掛かりを残したポン=タヴァン派の活動を顧みようとするものです。

本展を開催するにあたり、貴重な作品を快く御出品くださいました内外の各美術館、所蔵家の方々をはじめ、本展覧会実現のために惜しみないご協力を賜りました関係各位、とりわけロナルド・ピックヴァンス博士に対し、ここに心からの謝意を表したいと思います。

1993年

主催者

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