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あいさつ

スペインが誇る20世紀彫刻の巨匠、エドゥアルド・チリーダの、国内初の本格的回顧展を開催いたします。

1924年にバスク地方のビスケー湾に面したサン・セバスティアンに生まれたチリーダは、2002年に78歳で他界するまで、鉄をはじめ石やテラコッタによる緊張感に満ちた力強い抽象彫刻を、ひたむきな情熱をもって創作し続けました。

マドリード大学で建築を学んだ後、23歳で彫刻家の道に転じたチリーダは、パリ留学を経て、1951年に初めてスペインの伝統的な鍛鉄技法による鉄の抽象彫刻を手がけました。

野外彫刻家としても知られるチリーダの代表作《風の櫛》は、25年の歳月を費やして、1977年に、生地の海岸で完成しました。広大な海と空という大自然と、拮抗しつつも共生しながら屹立しているその彫刻は、チリーダの忍耐強く、妥協のない強靭な精神を示しています。チリーダの作品はすべて、鉄やテラコッタや大理石や紙といった素材そのものの魅力を最大限に活かしているのが特徴です。それらは、自然や環境への深い思索と敬虔な姿勢に裏付けられた作品群といえるでしょう。

チリーダは、欧米各地に設置された屋外彫刻作品や展覧会を通して国際的によく知られた作家ですが、日本では長らくその紹介を待望されながらも、そのスケールの大きさや重さの故に、なかなか実現に到りませんでした。このたびの展覧会は、彫刻家の故郷サン・セバスティアン近郊にあるチリーダ=レク美術館の全面的な協力により初めて実現したものです。鉄やテラコッタによる彫刻作品とともに、紙のレリーフ彫刻とも言うべき〈重力〉シリーズ、素描や版画など、紙の作品を含めて、この稀有なる彫刻家を多面的に紹介いたします。

本展を通じ、美術愛好家のみならず、広く一般の方々が、チリーダ作品の真髄に触れ、ひいては現代彫刻について新たな認識と展望を得てくだされば幸いに存じます。

最後に、日本での展覧会・望んでいたチリーダ自身から展覧会の監修を委嘱されて快諾され、日本展実現にご尽力下さいましたコスメ・デ・バラニャーノ氏、多くの貴重な作品の出品を御快諾いただきましたチリーダ家の御遺族、チリーダ=レク美術館に心より御礼申し上げます。また、ご後援いただきましたスペイン大使館、ご協力賜りました日本航空、作品を御貸与下さいました美術館および御所蔵家の皆様、関係各位に深く感謝申し上げます。

2006年
主催者

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