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ごあいさつ

スウェーデンの国民画家カール・ラーションの大回顧展を日本で初めて,東京都庭園美術館,三重県立美術館,熊本県立美術館,新潟県立近代美術館で開催出来ますことは,主催者としましてこの上ない喜びであります。

カール・ラーション(1853−1919)は19世紀後半から20世紀初頭にかけて近代スウェーデンを代表する画家です。祖国の風俗と歴史,家族,家庭を愛情を込めて描きました。気品のある作品には,家庭の平和を追求したラーションの魂がこめられています。

ラーションは,1853年,ストックホルムに生まれました。この年は,ゴッホが生まれた年であり,日本では米国のペリー艦隊が浦賀に来航した年でもあります。ラーションは,貧しい家庭に生まれながら,苦労を重ねて挿絵画家として出発し,1877年,ストックホルムの王立美術学校を卒業、パリに出ます。官展(サロン)に落選,入選を繰り返すなど地道な努力の結果,とくに水彩画で才能が開花します。

スウェーデンに戻ってからは,ストックホルム西方のダーラナ地方のスンドボーンに居を構え,反アカデミー運動,芸術分野での民族主義運動において中心的存在となりました。妻カーリンとの間に7人の子供をもうけ,平和な家庭を築き,温かい家庭生活の絵を描いたのはこのスンドボーン時代です。1899年には,ヨーロッパで人気を博した画集『わたしの家』を出版,この画集は日本でも紹介されています。

ラーションのパリ時代はちょうど印象派の興隆期で,印象派に影響を与えたジャポニスムにも強い関心を示し,彼の特徴である線描や鮮やかな色彩は浮世絵の影響を受けたものです。没後75年にして日本で初めて開催される回顧展を一番喜んでいるのは芸術家ラーション自身でしょう。

本展覧会は,スウェーデン国立美術館,イェーテポリ美術館,スンドボーンのカール・ラーション記念館,そしてスウェーデン国内の個人コレタターから貴重な作品をお借りして,油彩,水彩,デッサンなど140点(作品の一部展示替えのため各会場での展示は134点)を展覧するものです。

本展開催にあたり,多大なるご協力を頂いたスウェーデンの3つの国立美術館の館長を務めるウッレ・グラナート氏,スウェーデン側責任キューレイターであるスウェーデン国立美術館のトシュテン・グンナション氏,同氏のアシスタントのリリー・ヨハンソン女史に心から感謝を申し上げます。また,後援の外務省,文化庁,スウェーデン大使館,協賛の花王株式会社,住友海上,エリクソン東芝通信システム,協力のスカンジナビア航空と関係各位に厚く御礼申し上げます。

1994年4月2日

主催者

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