ごあいさつ
三重県立美術館では、様々な様相を呈している現代のなかで三重県在住・在勤・出身作家が行っている創作活動の現況を紹介する展覧会として、「三重の美術・現代」展を県民ギャラリーにおいて開催しております。昭和57年開館時には絵画・彫刻展を、昭和61年には工芸展を開催してまいりましたが、このたび、「「人」と色彩の交感・足代義郎展」を開催することになりました。
足代義郎は、明治42年、現在の三重県伊勢市に生まれ、昭和10年東京美術学校を卒業し、以後光風会・日展を中心に注目すべき作品を発表し続け、一方では三重大学において後進の指導にあたり、また三重県美術展覧会の運営委員・審査員を長期にわたり務めるなど、現在も活躍をつづけています。
本展では、鮮烈な色彩で「人」を一貫して追求する足代義郎の油彩画56点、水彩・素描16点によって、戦後における芸術活動を紹介いたします。
本展開催に際しまして、貴重な作品を快くご出品いただきました所蔵家および関係各位に厚くお礼申し上げます。
昭和62年3月
三重県立美術館