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学芸室だより リニューアル版

お題:新人日記

2007年6月29日 原 舞子

県庁での辞令式が4月2日でしたので、こちらで働きはじめてもうすでに三ヶ月が経過したことになります。とはいっても、はじめは新人研修に参加をしていましたので、4月中に美術館に出勤したのは片手で数えられるくらいの日数でした。5月、6月と振り返る余裕のないままあわただしく過ぎ去り、今はやっと少し慣れたかな、というところです。

さて、私は働きはじめてまだ日も浅いので、ここでご披露すべき抱腹絶倒のエピソード(?)なるものは持っておりませんが(今後もそのようなものは持たずにゆきたいものです)、この三ヶ月を少し振り返りつつ筆を進めていきたいと思います。

まずは学芸員という仕事について。研修期間中など、美術館関係以外の方とお会いすると必ず、「学芸員ってどういう仕事ですか?」「仕事ではどんなことをするんですか?」と聞かれました。なにしろ4月中は片手で数えられる程度しか美術館で仕事をしていなかったわけですから、自分でもどういう仕事なのかきちんと答えられず、なんとなくお茶を濁していました。
 では今ははっきり答えることができるか、というとますますわからなくなってきました・・・どんな仕事もバリバリとこなしてしまう先輩学芸員の姿を見ては、「私もこんな風になれるだろうか?」と少々不安を感じる毎日です。

たとえば、「水彩素描のすべて」では初めて展示作業を経験しましたが、ひとりうろたえるばかりでした。いくら頭のなかで展示プランを練っていたとしても、実際に展示室に作品を並べてみると、「やっぱりこの作品はこちらの壁にかけたほうがいいだろうか?」、「順路はこれでいいだろうか?」、「照明は?」、「キャプションは?」と悶々と悩み、周りの顔色をうかがいながらなんとか展示を終えたといったところです。わずか数センチの違いで作品の表情、展示空間の雰囲気はガラッと変わり、まるで魔法のようだとも感じました。

それからもうひとつ。三重県立美術館の「伝統」ともいえる名言がいくつか存在しますが、そのひとつに「出張に行ったら、最低3つは仕事をしてくること!」というものがあります。以前、田中学芸・が学芸室だよりに書いていましたが、私もすでにその洗礼をうけました。ひとたび出張にでれば、打ち合わせや会議のあいまに展覧会をまわり、次の打ち合わせの場所へ移動する、など、あちこちかけまわって帰ってきます。さまざまな場所へ出かけて作品を見たり、人に会うことが重要なのだな、そうやって吸収したものを蓄えていくことが今後につながるのだな、と認識させられました。

いずれ新人の頃を振り返り、「ああ、こんなことで悩んでいたのか。まだまだだったなあ。」と懐かしく思うときが来るのでしょうが、それには失敗も含めて数々の経験を積んでいかなくてはならないのでしょう。日々新しい出来事に遭遇し、まさに体当たりで突き進んでいくような状態はまだしばらく続きそうです。

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