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美術館 > 刊行物 > 学芸室だより > 新聞連載 > 観光情報、三重も海外展開を 井上隆邦 学芸室だより

観光情報、三重も海外展開を

井上隆邦


外国人観光客を呼び込もうと、頑張っている組織が和歌山にある。田辺市熊野ツーリズムビューローだ。彼らの活動で注目されるのは、インターネットを駆使し、熊野周辺の観光情報を積極的に海外に発信していることだ。発信している情報も英、仏、中、韓の4ヶ国語と、実に充実している。また同ビューローでは外国人観光客の嗜好も分析、これに合わせて情報を加工、発信しているから戦略的だ。

これに似た海外展開は三重でも始まっているが、その充実が今後の課題だ。三重は観光地に事欠かないし、温泉もある。食材に恵まれているのはご存じの通り。一方、対岸を見渡せば、空の玄関・中部空港がある。これらの要素を上手く組み合わせ、海外に売り込めば、外国人観光客の更なる誘致が可能ではないだろうか。

ここで、具体的な提案を一つしよう。中国の富裕層を念頭に置いた旅行パッケージだ。銘打って“牛ステーキ+ゴルフ+温泉ツアー”。この三点セット、中国の富裕層のニーズを満たせるはずだ。

最近の中国では生活スタイルの欧米化に伴い牛肉の消費量が飛躍的に増大。三重ブランドの美味しい牛肉で富裕層をもてなす作戦はいかがだろうか。ゴルフは中国で人気上昇中のスポーツ。ゴルフ場の多い三重は格好の旅先だ。彼らの温泉好きは別府や湯布院などで証明済みというもの。

政府は「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を推進するなど外国人観光客の誘致に積極的だ。こうした流れを追い風として、三重でも海外展開が本格化すれば、沈滞した景気も息を吹き返し、地域全体が活気づくのではないだろうか。


(朝日新聞・三重版2009年3月4日 カフェ日和第3回)

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