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美術館 > 展覧会のご案内 > 常設展(美術館のコレクション) > 1989 > 常設展示1989年度第1期(1989.3-6)

常設展示1989年度【第1期展示】 1989年3月28日(火)~6月18日(日)

日本の近代美術の流れは、明治、大正、昭和という時代区分に必ずしも一致するわけではない。しかし大正から昭和という時期を概観するとき、ちょうど1923(大正12年に起こった関東大震災という外因も加わって、洋画、日本画を問わず、大正と昭和では、作品が伝える雰囲気は少なからず異なっており、そこに一つの時代の転換が感じ取れるであろう。

第一室では、大正から昭和にかけて活躍した洋画家の作品を年代順に展示し、第二室では、京都画壇、なかでも宇田荻邨という一人の日本画家を中心に据えて、この転換期に焦点をあてた。また同時期の彫刻も併せて展示した。

大正から昭和にかけて、在野の美術団体の活動が活発になると共に、直接の留学体験、あるいは『白樺』などの雑誌を通じて、様々の新しいヨーロッパ美術の動きが流入し、洋画に限らず、日本画、彫刻にも大きな変革をもたらした。大正期には、後期印象派、フォーヴイスム、キュビスム、未来派が次々と紹介され、昭和に入ると、さらにシェルレアリスム、エコール・ド・パリなどの影響も加わる。それは様式の問題、表現上の問題である以上に、自我の表現という西洋近代の芸術観に立って、何とかして個性的な表現を獲得しようとする試みとして、精神の問題であった。したがってそこには一つにくくることができない多様性が見られるが、そのなかでも、大正期の作品はより強く個人の内面を志向し、どこか共通して暗さをたたえており、他方、昭和期の作品は、洋画ではフォーヴィスム的な傾向が優勢を占めつつ、主題、様式の両面で前衛性が追求されるようになる。

一方宇田荻邨は、大正15年の「淀の水車」を契機に、大正の雰囲気を色濃く反映した画面から、伝統的な日本画の感性になじみ深い、独自の画風を確立していく。


第1室 昭和美術の回顧1―大正から昭和へ(洋画)

作家名 生没年 作品名 制作年 材質
藤島 武二 (1867-1943) 朝鮮風景 1913(大正2) 油彩・キャンバス
藤島 武二 (1867-1943) 裸婦 c.1917(大正6) 油彩・キャンバス
藤島 武二 (1867-1943) 海(日の出) c.1931(昭和6) 油彩・キャンバス
中村  彝 (1887-1924) 静物 c.1919(大正8) 油彩・キャンバス
小出 楢重 (1887-1931) 秋の風景 1920(大正9) 油彩・キャンバス    ※
小出 楢重 (1887-1931) 裸女立像 1925(大正14) 油彩・キャンバス
岸田 劉生 (1891-1929) 麦二三寸 1920(大正9) 油彩・キャンバス
萬 鐵五郎 (1885-1927) 1915(大正4) 油彩・キャンバス
萬 鐵五郎 (1885-1927) 庭の花 1919(大正8) 油彩・キャンバス
村山 槐多 (1896-1919) 自画像 c.1914-15(大正3-4) 油彩・キャンバス
清水 登之 (1887-1945) チャプスイ店にて   油彩・キャンバス
清水 登之 (1887-1945) ロシア・ダンス   油彩・キャンバス
安井曾太郎 (1888-1955) 女立象   油彩・キャンバス
福沢 一郎   劇の一幕(コメディフランセーズ)   油彩・キャンバス
佐分  真 (1898-1936) 緑蔭   油彩・キャンバス
里見 勝蔵 (1895-1980) 裸婦   油彩・キャンバス
佐伯 祐三 (1898-1928) サンタンヌ教会   油彩・キャンバス
前田 寛治 (1896-1930) 風景   油彩・キャンバス
前田 寛治 (1896-1930) 赤い帽子の少女   油彩・キャンバス
前田 寛治 (1896-1930) 裸婦   油彩・キャンバス
木村 荘八 (1893-1958) 戯画ダンスホール   油彩・キャンバス
三岸好太郎 (1903-1934) 桃の静物   油彩・キャンバス    ※
三岸好太郎 (1903-1934) 二人の道化   油彩・紙
海老原喜之助 (1904-1970) 森と群鳥   油彩・キャンバス
鳥海 青児 (1902-1972) 紀南風景   油彩・キャンバス
中谷  泰   都会風景   油彩・キャンバス
関根 正二 (1899-1919) 群像   木炭・紙
関根 正二 (1899-1919) 自画像   インク・紙
村山 槐多 (1896-1919) 信州風景(山)   木炭・紙
岸田 劉生 (1891-1929) 自画像   クレヨン、コンテ・紙
萬 鐵五郎 (1885-1927) 茅ヶ崎風景   コンテ・紙
萬 鐵五郎 (1885-1927) ほほづえの人   鉛筆・紙
靉   光 (1907-1946) とげ抜き   木炭・紙
佐伯 祐三 (1898-1928) 銀座風景   クレヨン、鉛筆、コンテ・紙
佐伯 祐三 (1898-1928) 人物・動物スケッチ   インク・紙
佐分  真 (1898-1936) 群像(習作) c.1927-32(昭和2-7) 鉛筆・紙
野田 英夫 (1908-1939) 風景   水彩・紙
国吉 康雄 (1889-1953) ストッキングをつけて横たわる女   鉛筆・紙
三宅 克己 (1874-1954) 箱根双子岳   水彩・紙
戸張 弧雁 (1882-1927) トルソ   ブロンズ
戸張 弧雁 (1882-1927) 虚無   ブロンズ
中原悌二郎 (1888-1921) 石井鶴三氏像   ブロンズ
中原悌二郎 (1888-1921) 若きカフカス人   ブロンズ
石井 鶴三 (1887-1973) 中原氏像   ブロンズ
石井 鶴三 (1887-1973)   ブロンズ

第2室 昭和美術の回顧1-大正から昭和へ(日本画)

作家名 生没年 作品名 制作年 材質
竹内 栖鳳 (1864-1942) 山村之春 c.1912(明治45) 絹本著色
竹内 栖鳳 (1864-1942) 雨霽図 c.1918-25(大正7-14) 絹本著色
冨田 溪仙 (1879-1936) 梨郷晩春 大正末-昭和初期 絹本淡彩
入江 波光 (1887-1948) 五月の海 1935(昭和10) 紙本淡彩
宇田 荻邨 (1896-1980) 夜の一力(下絵) 1919(大正8) 淡彩・紙
宇田 荻邨 (1896-1980) 太夫(下絵) 1920(大正9) 淡彩・紙
宇田 荻邨 (1896-1980) 港(下絵) 1921(大正10) 淡彩・紙
宇田 荻邨 (1896-1980) 木陰 1922(大正11) 絹本著色
宇田 荻邨 (1896-1980) 山村(下絵) 1925(大正14) 淡彩・紙
宇田 荻邨 (1896-1980) 淀の水車(下絵) 1926(大正15) 淡彩・紙
宇田 荻邨 (1896-1980) 高尾の女(下絵) 1928(昭和3) 淡彩・紙
宇田 荻邨 (1896-1980) 春の池 1931(昭和6) 紙本淡彩
宇田 荻邨 (1896-1980) 林泉 c.1935(昭和10) 絹本著色
伊藤 小坡 (1877-1968) ふたば 1918(大正7) 絹本著色
谷中 安規 (1897-1946) 瞑想氏 1933(昭和8) 木版・紙
谷中 安規 (1897-1946) 虎ねむる 1933(昭和8) 木版・紙
北川 民次 (1894-   ) 瀬戸十景 1937(昭和12) リノカット・紙
棟方 志功 (1903-1975) 目(けん)連(「釈迦十大弟子」のうち) 1939(昭和14) 木版・紙       ※
棟方 志功 (1903-1975) 文殊菩薩(「釈迦十大弟子」のうち) 1939(昭和14) 木版・紙       ※
棟方 志功 (1903-1975) 普賢菩薩(「釈迦十大弟子」のうち) 1939(昭和14) 木版・紙       ※
橋本 平八 (1897-1935) 1922(大正11)
橋本 平八 (1897-1935) 馬鳴尊者 1925(大正14)
橋本 平八 (1897-1935) 弁財天 1927(昭和2)
橋本 平八 (1897-1935) 老子 1932(昭和7)
橋本 平八 (1897-1935) 弱法師 1934(昭和9)
橋本 平八 (1897-1935) 俳聖一茶 1935(昭和10)

第3室 ヨーロッパ近代の絵画

作家名 生没年 作品名 制作年 材質
ロドルフ・ブレスダン (1822-1885) 善きサマリア人 1861 リトグラフ・紙
ロドルフ・ブレスダン (1822-1885) 鹿のいる聖母子 1871-78 リトグラフ・紙
カミーユ・ピサロ (1831-1903) 農夫モロン親爺 1879 エッチング・紙
カミーユ・ピサロ (1831-1903) 鋤で耕す農婦 1890 エッチング・紙
オディロン・ルドン (1840-1916) ヨハネ黙示録 1899 リトグラフ・紙
エドヴァルト・ムンク (1863-1944) マイアー・グレーフェ・ポートフォリオ 1895 エッチング、ドライポイント・紙
トゥールーズ=ロートレック (1864-1901) ムーラン=ルージュのイギリス人 1892 リトグラフ・紙
オーギュスト・ルノワール (1844-1919) 青い服を着た若い女 c.1876 油彩・キャンバス
藤田 嗣治 (1886-1968) 猫といる自画像 c.1927 油彩・キャンバス
藤田 嗣治 (1886-1968) ラマと四人の人物 1933 水彩・紙
ワシリー・カンディンスキー (1866-1944) 小さな世界 1922 リトグラフ・木版・紙
ジョルジュ・ルオー (1871-1958) 十字架上のキリスト   油彩・キャンバス
ジョルジュ・ルオー (1871-1958) 受難(パッション) 1939 カラーオーフォルト・紙
マルク・シャガール (1887-1985) 1956-62 油彩・キャンバス
マルク・シャガール (1887-1985) サーカス 1967 リトグラフ・紙
ジョアン・ミロ (1893-1985) アルバム13 1948 リトグラフ・紙
ジョアン・ミロ (1893-1985) 女と鳥 1968 油彩・キャンバス
ジョルジュ・ブラック (1882-1963) 葉・色彩・光 1953 リトグラフ・紙
ジョルジュ・ブラック (1882-1963) 裸婦   油彩・キャンバス  ※
パブロ・ピカソ (1881-1973) 女の顔   陶版画        ※
長谷川 潔 (1891-1980) 版画集ポートレート 1963 エッチング・紙
アントワーヌ・ブールデル (1861-1929) ベートーヴェン   ブロンズ       ※
オーギュスト・ロダン (1840-1917) 化粧する女   ブロンズ       ※
アリスティード・マイヨール (1861-1944) 歩むマリ-   ブロンズ       ※

ギャラリー・ロビー(彫刻・工芸・現代美術)

作家名 生没年 作品名 制作年 材質
佐藤 忠良 (1912-   ) 円い椅子 1973 ブロンズ
佐藤 忠良 (1912-   ) 賢島の女 1973 ブロンズ
柳原 義達 (1910-   ) 黒人の女 1956 ブロンズ
宇佐美圭司 (1940-   ) 銀河鉄道 1964 油彩・キャンバス
脇田  和 (1908-   ) 1970 シルクスクリーン・紙
脇田  和 (1908-   ) 少年と果実 1973 リトグラフ・紙
高松 次郎 (1936-   ) 版画集 国生み 1984 シルクスクリーン・紙
村井 正誠 (1905-   ) 1973 コンテ・紙
村井 正誠 (1905-   ) 作品 1974 水彩、コンテ・紙
若林  奮 (1936-   ) ノート鮭の尾鰭 1978 エッチング、ドライポイント・紙
菅井  汲 (1919-   ) 無題 1959 水彩、墨・紙
湯原 和夫 (1930-   ) 無題 1981 鉛筆、オイル・パステル 和紙、経木・紙
湯原 和夫 (1930-   ) 無題 1978 鉛筆、アルミ箔、和紙・紙
飯田 善國 (1923-   ) クロマトポイエマ 1972 シルクスクリーン・紙
江口  週 (1932-   ) 漂流と原形 1981
澄川 喜一 (1931-   ) そぎとそり 1975
保田 春彦 (1930-   ) 都市1.試作(1) 1985 鉄・赤錆
保田 春彦 (1930-   ) 都市2.試作(2) 1985 鉄・赤錆
森  一蔵 (1945-   ) 7 X 7 = 49 1982 磁器
林  克次 (1943-   ) しりあい 1982 陶器
若林  奮 (1936-   ) 中に犬Ⅱ 1968
吉村 寿夫 (1948-   ) RelationⅣ 1987 アルミヒドロ合金
オシップ・ザッキン (1890-1967) ヴィーナスの誕生 1930 ブロンズ

屋外彫刻

作家名 生没年 作品名 制作年 材質
ジャコモ・マンズー (1908-    ) ジュリアとミレトの乗った大きな一輪車 1973 ブロンズ
湯原 和夫 (1930-    ) 無題 1982 鉄、ステンレス
井上 武吉 (1930-    ) my sky hole 82 1982 鉄、ステンレス
井上 武吉 (1930-    ) my sky hole 85-6 1985
田畑  進 (1944-    ) NOKOSARETA―KATACHI 1982 ステンレス、黒御影石
梶   滋 (1951-    ) 円柱とその周辺 1986 アルミニウム
八ツ木のぶ (1946-    ) 象と人(異邦の夢) 1988 ステンレス、ウレタン彩色

※印 寄託作品

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