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美術館 > 刊行物 > HILL WIND > Hill Wind (vol.25~34) > 海外研修派遣報告

海外研修派遣報告

美術館連絡協議会より海外研修の機会をいただき、2009年11月から12月にかけての約1ヶ月間をヨーロッパで過ごしました。研修目的は、三重県津市出身で現在はドイツを拠点に活動する作家、イケムラレイコさんの個展開催に向けての作品調査です。

 

イケムラさんは1980年代前半からヨーロッパで作家活動を開始し、現在もドイツを中心に作品を制作、発表しています。彼女の初期作品は、そのほとんどがドイツやスイスの美術館および作家のアトリエに保管されているので、今回はそうした初期作品の調査を中心に行いました。

 

滞在中、もっとも多くの時間を過ごしたのはケルンとベルリンにあるイケムラさんのアトリエです。最初期から現在制作途中の作品まで、目にしたのは数百点。中でも印象深いのは、膨大な数のドローイングです。一枚一枚めくりながら、そのときどきの作家の制作の息づかいを感じ、また制作の背景をのぞき見るような感覚も覚えました。

 

次々と作品を拝見しながら、作家本人に話を聞いたり、質問をしたりしながら進める調査は非常に充実したものでした。これまでに日本国内の美術館等で作品を拝見する機会はありましたが、今回のように一度にこれだけのボリュームの作品を見ることはかつてなく、展覧会開催に向けての大変な刺激となりました。

 

帰国後は写真やメモを元にデータの整理をし、作家本人や関係各所との調整をはじめ、少しずつ準備を進めています。イケムラさんの初期から最新作までを紹介する大規模個展を開催するのは日本国内では今回が初めての機会となります。展覧会開催は2011年秋を予定していますので、どうぞお楽しみに。(Hm)

ローザンヌ州立美術館

調査を行ったローザンヌの州立美術館。2001年にイケムラさんの個展を開催している。


ベルリンのアトリエ内部

ベルリンのアトリエ内部。展覧会に向けて、展示室模型を作りプランを煉っている。


ケルンのアトリエ

ケルンのアトリエでは彫刻作品の調査も行った。

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