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美術館 > 刊行物 > HILL WIND > Hill Wind (vol.11~24) > 大橋歩展舞台裏 美術館ニュース Hill Wind 23(2009年10月)

大橋歩展舞台裏

さて、ここでは趣向を一寸変えて、この展覧会の舞台裏にスポットを当ててみましょう。

 

アートの作品

 

大橋さんにとって、「アート」の作品はとても重要な位置を占めています。毎日の暮らしの中で、その時々に感じたこと、ひっかかることを、言葉ではなく形で提示してきました。時に従来の「大橋歩」像から大きくはみ出すものさえあり、様々な反響を呼びましたが、大橋さんはむしろそれもコミュニケーションの一つとして楽しんでいるかのようです。

 

今回の展覧会のために制作された作品は、一〇メートル四方の展示室をも圧倒するほどの巨大な作品です。そんなとてつもない計画をサポートしたのが、美術館ボランティア「欅の会」の皆さんです。裁縫の上手な人、綿つめに力を振るう人、それぞれが得意分野をうまく出し合って、みるみるうちに作品はできあがってきました。

 

一足先の展示作業

 

展覧会にカタログはつきものですが、一つだけ問題がありました。オープニングに会わせてカタログを作ると、実際の展示風景を載せることができない、ということです。

 

しかし、今回は特別に企画展のスケジュールの谷間を利用して、ウルトラCが実現しました。九月の始め、「大橋歩展」が始まる一ヶ月半前に、新作のインスタレーションを展示し、撮影を行いました。図面や模型の上で考えていたものと全く異なり、高い壁と広い床の広がる展示室に置かれたアートの作品は、想像以上の迫力で迫ってきました。一方では、照明やハイチの微調整など課題も見つかりましたが、本番に向けてそれらを一つ一つ解消していくのも、残された時間の楽しみと言えるでしょう。

 

みてからくるか、きてからみるか

 

より多くの方に、より深く楽しんでもらうために、展示、カタログと様々なアイデアを出しあって作り上げた展覧会。実は、大橋さんからさらに大きなプレゼントが用意されていました。

 

三重県出身の大橋さんが、三重県立美術館で展覧会をする。このことを記念して、別冊『アルネ』最新号はなんと三重県の特集です。北は桑名から南は松阪まで、大橋さんが実際に目にし、触れ、味わった場所やものがぎっしりと詰まっています。もちろん、三重県で活躍する魅力的な人たちについても紹介しています。「見てから来るか、来てから見るか」三重県を、そして展覧会を味わい尽くすためにも、この号は見逃せません。(Iy)

 
  1. 大橋さんと打ち合わせをしながら制作を進めていく欅の会の皆さん。いろいろなアイデアが提案されました。
  2. 展示作業を細かく指示する大橋さん。
  3. 取材中の大橋さん。撮影も自分でこなされます。
 

大橋歩展(2009年)

※この記事は2009年10月24日発行「Hill Wind 23」に掲載されたものです。
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