「部屋中を狂人の様にしたい」と晩年の佐伯祐三は友人に告白した。もっと魂を解放したい、今の自分には気づかない潜在能力を引き出したい。美術家に限らず、創造しつづける人間であればこうした願望は必ず持つものだろう。ただ、佐伯が念頭に置いていたであろうゴッホにしろ、当時の佐伯にしろ、彼らの表現のなかには、冷静な判断、計算された絵画の組み立てがなされていることは見逃せない。(Ty) 表紙の作品:菊池契月《麗人》(部分) 1939年 個人蔵 |
2009年7月30日発行 表紙 |
道田美貴 「生誕130年記念 菊池契月」 |
毛利伊知郎 「元永定正展」 |
石崎勝基 「柳原義達記念館・展示室Bの特集展示」 |
井上隆邦 「南伊勢で始まった現代美術の“胎動”」 |