春は古来、冬の間に眠り/死の床についていた万象がめざめ/再生し、世界が復興する時季として言祝がれてきました。その節には色とりどりの花々が開花します。とはいえ真冬に開催された『山口薫展』でも、いまだ拙い模索期からすでに、色による画面作りに対する関心がうかがわれたのは印象的でした。他方この4月に開幕する『元永定正展』でも、色の役割が大きな比重を占める画面が目白押しとなるはずです。山口薫と元永定正では色の使い方も雰囲気もまったく違うにせよ、そうした点を比較しつつ花見に興じるのも、また一つの春の讃え方となるかもしれません。(Ik) 表紙の作品:元永定正《赤と黄色と》(部分) 1963年 三重県立美術館蔵 |
2009年3月24日発行 表紙 |
毛利伊知郎「元永定正展」 |
道田美貴「生誕130年 菊地契月展」 |
生田ゆき「大橋歩展へ向けて」 |
伊藤亮子「教師のために鑑賞講座」 |