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館蔵品から(9)

浅野弥衛(1914-1996) 《作品》

1975(昭和50)年

油彩・キャンバス

 

90.9×90.9cm

 

 

ASANO Yae // Work // 1975 // Oil on canvas

 

この画面を前にした時受ける印象を、ある種の爽快感と呼ぶことができるだろうか。左上でくるくる回る渦巻きは、その回転によって周囲のエネルギーを集め、それが右に向かう幾本もの線となって走りだす。

 

後者の線が少し右肩上がりなのは、爆発銀河よろしく、エネルギーの高揚を物語るかのようだ。画面左半はやや混乱したさまで、エネルギーの蓄積をしめす分、渦巻きへと収斂する力も大きくなるとして、対するに右半はまばらに透けている。

 

この点はなおさら、左から右へという動勢を容れるだけのひろがりを保証するわけだが、ただ、縦に下る線が二本、密度の低さを穴埋めするだけの強さをもって、左半の混沌に対抗することだろう。

 

画面下方はさらに線が少なく、そのため線の走行が語るエネルギーの運動は、宙吊りのものとなる。他方、下方の随所と上辺沿いに、かすれた質感の青が、白い線とは異なり面として施され(上辺沿いのみ太めの線で)、白い線のエリア全体と拮抗している。

 

エネルギーといい力といっても、それらはしかし、物質的なかたまりをなすものではない。黒地を尖ったもので引っ掻いて得られた線は、むしろ、負の存在感をのみ訴えることだろう。

だからこそそれは、黒のひろがりに艶やかさをもたらし、さらに、正方形の枠どりゆえ、画面を無限のひろがりからたまたま切りだされた一片と感じさせるのだ。

 

 

(Ik)

浅野弥衛(1914-1996) 《作品》

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