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美術館 > 刊行物 > HILL WIND > ひる・うぃんど(vol.31-40) > ひる・うぃんど(vol.31) 1990.6 森本孝「ひる・とおく」  横山操の瀟湘八景

ひる・とおく

 今美術館では、本年度最後の企画展である森芳雄展を開催している。入館者数もこのままで推移すると前年度の実績を上回ることは確実で、それだけ多くの人々の心をとらえた展覧会であったことによろこびを感じている。

 

 来館者の多くは、すぐれた絵画、彫刻などの鑑賞や、美術館周辺の自然とのふれあいを通して、豊かな心を養い、自己をより研きたかめるよう努められているのであろう。このことは昨年導入したAV機器の利用状況や、展示会場に配置している資料の減り具合から、また企画展にちなむ美術講演会などからも、美術に対するより深い知識を学ほうとする意慾がうかがうことができる。

 

 こうした来館者のニーズにこたえるため、新しい情報の収集や発信に、また学習の手助けとなる資料の提供など一層の来館者サービスをはかることとしている。

 

 2月中旬にはじまった「三重の子どもたち展」が終りに近いたある日、以前から懇意にしていた友人にエントランスホールで逢うことが出来た。彼は、妻と娘と孫をつれ、孫の出展作品を鑑賞に来館したのである。

 

 核家族化が進行する今日、彼の家庭もご多分にもれず夫婦二人ぐらしで、娘夫婦達は県内に居るものの疎遠続きとか、こんなときに孫が描いた絵が家族の絆をとりもち、久しぶりの一家団欒に、友人の顔もゆるみがち。

 

 三重の子どもたち展も来年度は、10回目を迎える。もう今年の反省をふまえ、新しい企画をめざして動き出している。

 

(黒川 春夫・次長)

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