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美術館 > 刊行物 > 年報 > 1989年度版 > 年報1989 向井良吉展 (1989.5-6)

B-企画展2

【向井良吉展】

1989年5月27日(土)~6月25日(日)

【主催】・・・三重県立美術館+伊丹市立美術館+神奈川県立近代美術館

【担当】・・・毛利伊知郎

◎1918年京都市に生まれた向井は、南太平洋での戦争体験をへて戦後本格的に彫刻制作をはじめた。1952年京都から東京にうつり、1954年ヨーロッパを旅した後の、木彫による『アフリカの木』連作はひとびとの注目するところとなった。

◎1960年、向井はパラフィン系鑞形原型による技法を開発、アルミニウムやZAS合金を素材として、『蟻の城』に代表される、それまでにはなかった複雑なかたちをもつ金属彫刻を発表して、自分のスタイルを確立する。

◎人間の血がながれているような抽象彫刻をめざして、楽器や昆虫、動物などに主題を求め、独自な立体構成のなかに、私的な情趣や過酷な戦争経験にもとづく不安な感覚を漂わせながら、灰のなかからたちあがるたくましい生命力をうしなったことがない。また彫刻のほかに、タピスリーや緞帳、装飾レリーフの制作など、建築と関係したさまざまな分野にも手を染めて、幅広く活動している。

◎本展は1955年の『アフリカの木』以後の戦後の代表作60点に、最新作12点、タピストリー9点写真パネルなどをくわえて展示し、彫刻家向井良吉の全貌を展望した。

出品目録

番号 作品名 制作年 材質・技法 寸法(cm) 所蔵者
1 アフリカの木Ⅰ 木 35.5×47.0×40.0 富山県立近代美術館
2 アフリカの木Ⅱ 1955年 木 65.5×48.0×35.0 神奈川県立近代美術館
3 アフリカの木 1956年 木 75.0×40.0×50.0
4 エチュード 1957年 ZAS合金 18.0×42.0×11.0
5 発掘した言葉 1958年 ブロンズ 73.0×32.0×30.0
6 飛翔する形態 1959年 真鍮 54.0×60.0×41.0 神奈川県立近代美術館
7 蟻の城Ⅰ 1960年 ZAS合金 81.0×74.3×24.0 世田谷美術館
8 蟻の城Ⅱ 1960年 ZAS合金 130.0×24.0×40.0 世田谷美術館
9 蟻の城Ⅲ 1960年 ZAS合金 92.5×71.0×43.0 世田谷美術館
10 蟻の城 1960年(84年再制作) 白銅 55.0×26.0×28.0
11 岩礁の番人 1962年 ZAS合金 61.5×52.0×39.0
12 風の中の壁 1962年 ZAS合金 50.0×40.0×25.0
13 勝利者の椅子 1964年 アルミニウム 95.0×57.0×95.0 神奈川県立近代美術館
14 昆虫 1965年 アルミニウム 55.0×35.0×30.0
15 異質な土壌に生きる植物 1966年 アルミニウム 89.0×42.0×30.0 東京都美術館
16 HELMET 1974年 アルミニウム 48.0×27.0×28.0
17 狼が来る 1975年 真鍮アルミニウム 30.0×52.0×25.0
18 ビルディング 1975年 アルミニウム 48.0×31.0×28.0
19 蜉蝣 1976年 アルミニウム 75.0×56.0×36.0 岐阜県美術館
20 虫B(レリーフ) 1976年 アルミニウム 44.5×55.0
21 洋梨 1976年 アルミニウム 28.0×40.0×23.0
22 四角な太陽Ⅰ 1977年 アルミニウム 62.0×200.0×200.0 宇部市文化会館
23 石榴Ⅰ 1979年 アルミニウム 27.0×54.0×28.0
24 石榴Ⅱ 1979年 石膏アルミニウム 28.0×57.0×16.0
25 夕陽のトランペット(レリーフ) 1980年 アルミニウム 70.0×80.0 富山県近代美術館
26 ヴァイオリン・チェロ 1980年 真鍮 90.0×150.0×63.0 国立国際美術館
27 譜面台のヴァイオリン 1980年 アルミニウム 103.0×96.0×56.0 岐阜県美術館
28 歩き始めた森のヴァイオリン 1980年 真鍮 59.0×28.0×28.0
29 丸い顔 真鍮 90.0×45.0
30 昆虫になったヴァイオリン 1980年 ブロンズ 45.0×24.0×33.0
31 トンボ眼鏡のトランペットとバンジョー 1980年 ブロンズ 24.0×88.0×34.0 武蔵野美術大学美術資料図書館
32 鶏に化けたタンバリン 1980年 真鍮 55.0×20.0×56.0 東京芸術大学芸術資料館
33 燃える狂土 1981年 真鍮 25.0×40.0×50.0
34 狂土 1981年 真鍮 20.0×63.0×51.0
35 土が燃えるとき(A) 1981年 真鍮 150.0×56.0×30.0 木曾路美術館
36 ヤンバルクイナⅠ 1981年 真鍮 40.0×30.0×23.0
37 春のかなしみ 1982年 真鍮 35.0×20.0×20.0
38 ヤンバルクイナ 1982年 真鍮 38.0×32.0×18.0 世田谷区役所
39 不惜身命 1982年 真鍮 65.0×15.0×10.0
40 落人 1987年 真鍮 50.0×37.0×22.0
41 行進 1982年 真鍮 55.0×37.0×24.0
42 タイヤ 1983年 真鍮 50.0×50.0×15.0 世田谷美術館
43 夕日 1984年 真鍮白銅 56.5×94.0×68.5 武蔵野美術大学美術資料図書館
44 早春の街Ⅰ 1984年 白銅大理石 49.0×61.5×64.5 武蔵野美術大学美術資料図書館
45 早春の街Ⅱ 1984年 白銅大理石 54.5×64.5×47.0 武蔵野美術大学美術資料図書館
46 早春の街から 1984年 白銅 250.0×250.0×250.0
47 森へゆこう 1984年 白銅真鍮石 53.0×40.0×41.0 武蔵野美術大学美術資料図書館
48 巴里・ラテン区 1984年 白銅ゴム 80.0×60.0×40.0 武蔵野美術大学美術資料図書館
49 サインのある街 1984年 白銅大理石 38.6×35.0×43.0 武蔵野美術大学美術資料図書館
50 城壁の残る街角 1984年 白銅御影石 48.0×46.0×40.0
51 城 1984年 白銅大理石 47.0×52.0×59.0
52 ビル風の吹く歩道 1984年 白銅大理石 64.0×45.0×78.0 武蔵野美術大学美術資料図書館
53 ビル風の吹く歩道Ⅱ 1984年 白銅大理石 62.0×73.0×50.0
54 窒壁 1984年 白銅大理石 44.5×52.5×47.0
55 冬の街角 1984年 白銅大理石 45.5×45.5×48.0
56 カオールの陰翳 1984年 白銅大理石 72.0×83.5×46.5
57 ヴェネチア冬日 1985年 白銅御影石 100.0×70.0×55.5
58 牛頭 1986年 真鍮 57.0×45.0×43.0 武蔵野美術大学美術資料図書館
59 虫 1986年 真鍮アルミニウム 48.0×30.0×30.0
60 レクイエム 1987年 白銅 42.0×50.0×30.0
61 遺跡 1988年 真鍮 54.0×50.0×54.0
62 花 1979年 真鍮アルミニウム 40.0×20.0×20.0
63 台座のあるランドスケープⅠ 1989年 アルミニウム 134.0×59.0×49.0
64 台座のあるランドスケープⅡ 1989年 アルミニウム 134.0×59.0×49.0
65 台座のあるランドスケープⅢ 1989年 アルミニウム 134.0×59.0×49.0
66 背の高いオブジェ 1989年 アルミニウム 157.0×50.0×30.0
67 歩くオブジェ 1989年 アルミニウム 139.0×69.0×40.0
68 レリーフⅠ 1989年 アルミニウム 58.5×55.5
69 レリーフⅡ 1989年 アルミニウム 58.5×55.5
70 レリーフⅢ 1989年 アルミニウム 58.5×55.5
71 パッキングのオーロラ 1989年 アルミニウム 180.0×400.0×60.0
72 パッキングのオベリスク 1989年 アルミニウム 213.0×64.5×59.0
73 海を渡り山を越え街を見る 1989年 アルミニウム 180.0×300.0×180.0
74 森 1989年 アルミニウム 245.0×170.0×135.0
75 祭り 1987年 タピストリー 225.0×150.0 株式会社川島織物
76 萌芽 1987年 タピストリー 200.0×240.0 株式会社川島織物
77 石榴と洋梨 1987年 タピストリー 170.0×200.0 株式会社川島織物
78 風葉 1987年 タピストリー 170.0×100.0 株式会社川島織物
79 鉄のうた 1987年 タピストリー 200.0×300.0 株式会社川島織物
80 黒い太陽 1987年 タピストリー 200.0×143.0 世田谷区役所
81 炎 1987年 タピストリー 170.0×100.0 株式会社川島織物
82 標的 1987年 タピストリー 170.0×125.0 株式会社川島織物
83 ランドスケープ 1987年 タピストリー 200.0×170 株式会社川島織物

関連事業

講演会
6月3日(土)・・・「彫刻人生」講師=向井良吉

主な新聞記事

朝日新聞
6月3日・・・「増殖続ける生命力向井良吉回顧展」
6月11日・・・「代表作を集めて「向井良吉展」」

毎日新聞
6月13日・・・「停滞知らぬ探求」

読売新聞
6月16日・・・「71歳、戦地体験を作品に」

ひるういんどno.27;毛利伊知郎 「向井良吉展偶感(向井良吉展より)」
             石崎勝基 「向井良吉『発掘した言葉』(表紙解説)」

作家別記事一覧:向井良吉

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