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美術館 > 刊行物 > 年報 > 1988年度版 > 年報1988 調査・研究

調査・研究

A.「鹿子木孟郎」調査

1985年4月に発足した鹿子木孟郎調査委員会は、藤島武二の後任として、三重県尋常中学校の図面の教諭を務めた岡山県出身の洋画家、鹿子木孟郎の学術調査を86年、87年と三重県美術館において実施してきたが、88年は、鹿島美術財団の助成金を得て、さらにそれを進め、既にカードに整理された572点の作品を調査するための基礎資料になる、スケッチブック・図書資料・書簡類について6月と11月に調査を行った。

これらの成果は、1988年11月28日から30日まで開催された、「国際シンポジウム・日本近代美術と西洋」(主催・朝日新聞社、明治美術学会)において、同調査委員会また、の児島薫(東京国立近代美術館)・荒屋補透(三重県立美術館)によって報告された。同調査委員会また、1989年度に本館で開催予定の「鹿子木孟郎・水彩素描展」にむけての調査を実施する予定である。

B.「橋本平八」調査

伊勢朝熊町出身の木彫家、橋本平八に関する調査は1985年に開催した「橋本平八と円空」展以後、着実に進められ、87年には鹿島美術財団の助成金を得て、橋本家所蔵の日記類の読み取り作業を原歌氏の協力を得て行った。その成果である400字詰原稿用紙1,300枚に及ぶ原稿は、日本近代美術史上きわめて重要であり、出版物として刊行することを検討している。同時に、当館所蔵及び寄託の平八作品を中心に、作品調査を進めている。

C.「増山雪斎」調査

伊勢長島の藩主であった江戸中・後期の画家、増山雪齋は、花鳥画家として知られている。87年度に鹿島美術財団の助成金を得て雪斎の作品所在調査、作品カードの作成など、研究の基礎資料の集積に努めた。88年度は引き続き所在調査および研究を深め、主として津、亀山、関、松阪、伊勢周辺のフィールド・ワークを行った。これらの成果は、数年後に「増山雪斎展」として開催する計画である。

D.「宇田荻邨」調査

松阪出身の日本画家、荻邨は、大正から昭和にかけて京都画壇の注目すべき画家として活躍した。87年度に(財)岡田財団より寄贈を受けた下絵178点、スケッチブック121冊に及ぶ資料の調査を88年度より開始した。

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