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教育普及

A.公開講座

鑑賞をより一層深めるための機会として、昭和61年度から、美術に関わる諸問題をより組織的なかたちでとりあげる公開美術講座を開催することになった。

61年度の第1回では「素描(デッサン)とはなにか」を、62年度の第2回では、前期は「絵画の周辺」、後期は「絵を読む、名作の秘密」をそれぞれテーマとした。

昭和61年度

第1回:素描(デッサン)とはなにか

ドイツの美術史家マックス・フリードレンダーは「真摯な鑑賞者にとって、デッサンを研究することくらいその仕事にふさわしくかつ必要なものはない」といっているが、我々が美術作品を理解するうえで、素描はその糸口として格好な材料といえる。それでは素描とは一体何であろうか。

素描は美術作品がつくられるうえでもっとも基礎的な要素であるが、ルネサンス以降の西洋美術の歴史においては、時代ごとの芸術のあるべき姿を規定してきた重要な概念でもあった。素描は単なる線描表現を超えて、しだいに絵画のジャンルの中で自律していく。また東洋美術とそれを独自に継承した日本美術でも、線描表現は重要な技巧であったが、明治以降の近代日本美術では、素描は西洋と東洋の技巧と概念を融合させながら、独自に展開した。今回の公開美術講座は、ルネサンスより印象主義にいたる西洋美術史における素描と、日本美術史の素描の歴史をたどるとともに、画家・彫刻家にとっての素描について考えてみようとした。

開催日時  講師  テーマ

11月1日 陰里鐵郎(当館館長)  素描とは:さまざまな素描
      西村規矩夫(関西大学教授)  ルネサンスの素描:デューラー、ミケランジェロなど

11月15日 河野元昭(東京大学助教授)  日本の素描:江戸時代を中心に
       中谷伸生(当館学芸課長)  バロックの素描:レンブラント、ルーベンスを中心に

11月22日 牧野研一郎(当館学芸員)  日本近代の素描:洋風素描の導入と展開
       馬渕明子(国立西洋美術館主任研究官)  印象派の素描:モネからスーラまで

11月29日 渡辺恂三(画家)  素描:画家は語る
       湯原和夫(彫刻家)  素描:彫刻家は語る

受講者数……約150名

昭和62年度

第2回 前期:絵画の周辺
     後期:絵を読む…名作の秘密

美術を鑑賞するにあたっては、作品そのものに目を注ぐことが最も重要なのは言うまでもないが、作品がどのような状況に置かれているかを知っておくことが、理解のために欠かせない。西洋そして日本東洋において、たとえば壁画、あるいは障屏画、巻物など作品は様々なかたちをとっているが、そのかたちは作品のありかたを決定するだけの大きな意味を持っている。また何かと話題になる真贋の問題に関しても基本的な理解を得ておく必要があると思われる。前期では、以上のようなテーマに基づき、「絵画の周辺」と題して全4回の講座を催した。また美術作品は、単に色や形から成り立っているのではなく、作者やその周辺の人々によって、さまざまな意味を伝達する言語としてながらく考えられてきた。特に近代以前においては、それらの意味を解く鍵を知っておくことが作品を理解するために必須である。後期は、ルネサンスから17世紀までの重要な絵画作品4点を取り上げ、「絵を読む」ことを試みた。

開催日時 講師 テーマ

前期:絵画の周辺
9月26日 武田恒夫(大阪大学教授)  画面のかたち:日本、東洋の場合
10月3日 辻成史(大阪大学助教授)  画面のかたち:西洋の場合
10月10日 森本孝(当館学芸員)  日本画の表装
10月24日 陰里鐵郎(当館館長)  真贋をめぐって

後期:絵を読む
10月31日 勝国興(同志社大学文学部教授)  イーゼンハイムの祭壇が(グリューネバルト作)
11月7日 荒屋鋪透(当館学芸員)  愛のアレゴリー(寓意)(ブロンツィーノ作)
11月14日 東俊郎(当館学芸員)  アルカディアの牧人(プッサン作)
11月21日 海津忠雄(慶応義塾大学文学部教授)  大使たち(ホルバイン作)

受講者数…前期…約130名
       後期…約130名

B.講演会

展覧会の内容に即した講演会を実施する(詳細は展覧会ごとに記載)とともに、それ以外に、以下のような講演会を開催した。

昭和61年度

7月9日…「美術館と美術教育」講師=M.フォークト、H.フィアエック(ミュンヘン美術教育センター)
9月13日…「建築と芸術」講師=多田美波(彫刻家)
3月7日…「日本人の自然観」講師=オーギュスタン・ベルグ(東京日仏会館フランス学長)

昭和62年度

9月12日…「現代美術―建築との接点」講師=庄司達(立体造形家)

C.移動美術館

一人でも多くの県民に、美術鑑賞と学習の機会を提供するために、開催地市町村及び三重県立美術館友の会の協力を得て、昭和61年度からは、従来の移動美術講演会に代わり、移動美術館を開催した(詳細は、P.の展覧会について―C.移動美術館の項を参照)。

D.団体解説会

本年度・熨スくの団体入場者をみた。そのなかで、希望する団体に対しては、団体解説を実施するとともに、映画「丘の上の美術館」の上映を行った。

E.日曜映画会

昭和61年度

開催月日 映画名 入場者

4/6,13,27,5/4 アントニーガウディー(72分) 平均80名
5/11,18,25,6/8 黒田清輝の芸術(30分)    90名
6/15,22 梅原龍三郎 北京(24分)    35名
6/29,7/13,27 現代美術のイメージ(15分)    20名
7/6 私の人生「ジプシー、マヌーシュ」60分)    30名
8/3,10,17,24,31 近代日本の洋画(15分)    70名
9/7,21,28 梅原龍三郎 北京(24分)    25名
10/5,12,19,26 法隆寺(25分)    40名
11/2,9,16,23 室町美術(22分)    50名
12/7,14,21 シャガールの芸術(15分)    40名
1/4,11,18,25 現代美術のイメージ(15分)    30名
2/1,8 井上武吉my sky hole(10分)    30名
2/15 アルゼンセンの世界(28分)  170名(2名)
     王様とナイチンゲール(22分)
2/22 王様は豚の番人(30分)  120名(2名)
     チロの木、大きくなあれ(21分)
3/8 走れ、くろねこビッキー(26分)  280名(2名)
    王様の耳はロバの耳(30分)
3/15,22,27,29 アントニー・ガウディ(72分)    35名

昭和62年度

開催月日 映画名 入場者

4/5,12,19,26 現代の版画(15分) 平均40名
5/3,10,17,24,31 梅原龍三郎 北京(24分)        50名
6/7,14,21,28 ローマからルネサンスへ(20分)    40名
7/5,12,19,26,8/2,9 近代日本の彫刻と工芸(15分)    20名
8/16,23 現代の版画(15分)    25名
8/30,9/6,13,20,27,10/4 アントニーガウディ(72分)    80名
10/11,18,25,11/1,8 室町美術(22分)    30名
11/15,22,29,12/7,13 現代美術のイメージ(15分)    20名
1/10,17,24,31, 飯田善國の世界―時間の風景(40分)    25名
2/7 王様とナイチンゲール(22分)    20名
    野ばら(19分)
2/14 海のトリトン トリトンの秘密(25分)    40名
2/28 みんなで作った虹のつり橋(25分)    50名
      海のトリトン
3/6 くつやの小人、マヤの一生(計50分 )    50名
3/13,20,27 丘の上の美術館(16分)    20名

F.ミュージアム・コンサート

下記の通りミュージアム・コンサートを実施した。

昭和61年度

「東敦子 日本のうた」
ア.日時…1986年10月4日(土)17:30−18:40
イ.出演…ソプラノ独唱=東敦子 ピアノ伴奏 横山修司
ウ.会場…美術館エントランスホール
エ.入場料…無料
オ.曲目…北原白秋作詞…山田耕筰作曲『曼珠沙華』他12曲

「井上武吉の空間と環境へのオマージュ―一柳彗・木村かおりデュオ・ピアノ・コンサート
ア.日時…1987年1月10日(土)17:30−18:40
イ.出演…ピアノ=一柳彗+木村かおり
ウ.会場…美術館エントランスホール
エ.入場料…無料
オ.曲目…一柳彗作曲『二つの存在』他6曲

昭和62年度

「東敦子 アリアの夕べ」
ア.日時…1987年10月3日(土)17:30−18:40
イ.出演…ソプラノ独唱=東敦子 ピアノ伴奏 横山修司
ウ.会場…美術館エントランスホール
エ.入場料…無料
オ.曲目…プッチーニ作オペラ"トスカ"より『歌に生きる恋に生きる』他10曲

「飯田善國への『愛の挨拶』―上村昇…岡原慎也ジョイント・コンサート
ア.日時…1986年1月9日(土)17:30−18:40
イ.出演…チェロ=上村昇 ピアノ=岡原慎也
ウ.会場…美術館エントランスホール
エ.入場料…1,500円(飯田善國展観覧料を含む)
オ.曲目…武満徹作曲『オリオン』他7曲

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