年報刊行にあたって
三重県立美術館は、津駅から西方約500メートルの小高い丘の上に建設され、県民の皆様をはじめ多くの方々の大きな期待のなか、中部・東海地区において最初の本格的な美術館として昭和57年9月25日に開館し、昭和58年度末現在、約35万人の入館者を迎えました。この間、開館記念展として、『サンパウロ美術館展』と『日本近代の洋画家たち展』及び『三重の美術・現代』、『第1期常設展示』以来、充実した美術館活動を行ってまいることができましたが、これはひとえに皆様方の暖かいご支援とご協力の賜物と、深く感謝しております。
ここに、遅れながら、開館から昭和58年度末まで事業の歩みをまとめ、年報第1号として刊行することになりました。この年報を通じて、当美術館の運営についてより一層のご理解を賜れば幸いに存じます。
今後とも、展覧会を中心に、教育普及活動を始め、全国的な広い視野を持ちつつ、三重県の芸術文化の向上に寄与することを目標として努力していきたいと考えておりますので、今まで以上の適切なご指導とご援助をお願い申し上げます。
昭和60年3月1日
三重県立美術館