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13.開館1周年記念 日本近代洋画の巨匠とフランス展

会期=昭和58年10月29日(土)―11月23日(日)

会場=企画展示室(1)〜(4)

主催=三重県立美術館
    中日新聞社
    全国美術館会議

後援=外務省
    フランス大使館

協力=日本航空

担当=東俊郎・ 荒屋鋪透

デザイン=杉浦康平+谷村彰彦

 19世紀末から今世紀初頭にかけて、多くの日本人画学生たちがパリに留学している。

 世紀末のパリでは、爛熟した都市文化に加えて、時代の終焉への不安を反映した象微主義が新興美術運動として着実に勢力を広げていた。しかし美術家としての成功は、相変わらずサロン公募展覧会に入選し、そこで人気を勝ち得ることで保証せれており、そのためにヨーロッパのみならず、アメリカや東洋からも多勢の画学生がパリの画塾に集まったのである。

 黒田清輝、久米桂一郎らが師事したラファエル・コランは典型的なサロン画家であった。彼は大衆の目を奪う大胆なポーズの裸婦を、アカデミックな写実技法に、印象派の外光表現を採り入れた折衷様式で描くのを得意とした。画塾アカデミー・コラロッシのコラン教室には、後に岡田三郎助、和田英作、児島虎次郎らも学んでいる。

 このようなサロン画家による画塾の中でも、パリ国立美術学校の正統的な美術教授法を踏襲したアカデミー・ジュリアンに入学した鹿子木孟郎や中村不折らは、堅実な歴史画をジャン=ポール・ローランスから指導された。

 また藤島武二はパリ国立美術学校のフェルナン・コルモンの推薦でローマのフランス・アカデミー院長カロリュス=デュランの教えを受けている。

 本展覧会の目的は、これら明治期の留学生たちの足跡をたどり、彼らが師の影響のもとに制作し作品を、フランス各地の美術館に所蔵されているコランやローランスなどの作品と比較することによって、その影響関係を明らかにし、日本の洋画家たちにとっての留学の意味を問い直して、1893年(明治26)の黒田の帰国以後まったく新しい展開を見せた白馬会系の外交派絵画を中心とする近代洋画の特質を紹介することにあった。

関連事業(講演会)

11月6日(日)
講演会 「19世紀フランス絵画の流れ:印象派とサロン」
講師 阿部良雄(東京大学助教授)

主な新聞記事

毎日新聞 10月26日(朝刊・県内版)
「開館一周年を飾る『日本近代洋画の巨匠とフランス展』」

赤旗 10月25日 (朝刊・県内版)
「明治後期油彩画家たちの苦楽 『日本近代洋画の巨匠とフランス展』」

読売新聞 11月9日(朝刊・県内版)
「西洋画法の日本的展開 『日本近代洋画の巨匠とフランス展』」

中部読売新聞 10月28日(朝刊・県内版)
「『日本近代洋画の巨匠とフランス展』名作131点あす開幕」

日本経済新聞 9月30日
「師弟の系譜に照明 『日本近代洋画の巨匠とフランス展』」

朝日ジャーナル 10月14日
「日本の近代美術の主体性とは何か」峯村敏明

中日新聞 10月21日(朝刊・県内版)
荒屋鋪透「日本近代洋画のルーツ・上・コラン」
〃 10月22日(朝刊・県内版)
東俊郎「日本近代洋画のルーツ・中・ローランス」
〃 10月23日(朝刊・県内版)
東俊郎 「日本近代洋画のルーツ・下・コルモン、デュラン」
〃 11月 9日(夕刊・県内版)
荒屋鋪透 「展覧会の今日的方法(日本近代洋画の巨匠とフランス展)に寄せて」
〃 11月12日(朝刊・県内版)
毛利伊知郎「ラファエル・コラン作(麦わら帽子を持つ婦人)」
〃 11月13日(朝刊・県内版)
山口泰弘「岡田三郎助作 (萩)」
〃 11月16日(朝刊・県内版)
牧野研一郎「近代洋画の夜明け(3)ジャン=ポール・コーランス作 (ポルトガルのイザベルの棺の前のフランソワ・ド・ボルジャ)」
〃 11月17日(朝刊・県内版)
東俊郎「近代洋画の夜明け(4)鹿子木孟郎作(白衣の少女)」
〃 11月18日 (朝刊・県内版)
荒屋鋪透 「近代洋画の夜明け(5) カロリュス=デュラン作 (手袋の婦人)」

「日本近代洋画の巨匠とフランス展」目録

番号 作家名 作品名 寸法(cm) 制作年 材質・技法

  1. ラファエル・コラン 眠り 119.0×209.0 1873年 油彩・画布
  2. ラファエル・コラン 花月(フロレアル) 110.5×191.0 1886年 〃
  3. ラファエル・コラン 天井画下絵 89.0×33.0 1899年頃 〃
  4. ラファエル・コラン 令妹の像 53.0×41.0 1890年頃 〃
  5. ラファエル・コラン 麦わら帽子を持つ婦人 下絵80.2×39.0 1894年頃 〃
  6. ラファエル・コラン 麦わら帽子を持つ婦人 194.0×112.0 1894年 〃
  7. ラファエル・コラン 私生活(室内の裸婦) 54.0×51.0 1897年 〃
  8. ラファエル・コラン 若い娘(O嬢)の肖像 81.5×65.2 1900年 〃
  9. ラファエル・コラン 静寂 (あるいは、樹下の裸婦) 129.0×88.0 1903年 〃
  10. ラファエル・コラン 異数的情景(あるいは、無心) 97.0×200.0 1904年 〃
  11. ラファエル・コラン 想い 59.0×81.0 1904年 〃
  12. ラファエル・コラン 横臥婦人図 88.0×168.4 〃
  13. ラファエル・コラン ブロンドー婦人の肖像 下絵65.3×33.4 〃
  14. ラファエル・コラン 荒地 45.6×55.6 〃
  15. ラファエル・コラン 無名の墓 35.3×27.4 〃
  16. ラファエル・コラン コンポジション 27.4×35.3 〃
  17. ラファエル・コラン コンポジション 48.5×31.3 木炭・紙
  18. ラファエル・コラン 半裸の婦人 53.0×33.2 〃
  19. ラファエル・コラン 歌う女 58.0×36.0 〃
  20. 黒田清輝 裸体・男(半身) 61.0×44.0 1889年 油彩・画布
  21. 黒田清輝 裸体・男(半身) 76.0×60.5 1889年 〃
  22. 黒田清輝 裸体・女(全身) 81.6×44.7 1889年 〃
  23. 黒田清輝 裸体・女(半身) 54.7×47.0 1889年 〃
  24. 黒田清輝 画室にての久米桂一郎 39.5×47.7 1889年 〃
  25. 黒田清輝 祈祷 75.3×54.8 1889年 〃
  26. 黒田清輝 樹下人物 41.0×32.5 1889年 〃
  27. 黒田清輝 場樹 35.2×25.7 1889年 〃
  28. 黒田清輝 アトリエ 72.8×60.0 1890年 〃
  29. 黒田清輝 グレーの水車場 23.9×32.7 1890年頃 油彩・板
  30. 黒田清輝 ブレハの少女 81.0×54.0 1891年 油彩・画布
  31. 黒田清輝 白き着物を着せる西洋婦人 79.5×43.6 1892年 〃
  32. 黒田清輝 舞妓 80.7×65.3 1893年 〃
  33. 黒田清輝 昔語り下絵(男と舞妓) 78.8×51.5 1896年 〃
  34. 黒田清輝 昔語り下絵(仲居) 94.0×47.9 1896年 〃
  35. 黒田清輝 昔語り下絵(舞妓) 94.7×47.0 1896年 〃
  36. 黒田清輝 女の顔 61.2×47.2 1887年 木炭・紙
  37. 黒田清輝 裸体習作 62.8×48.0 1887年 〃
  38. 黒田清輝 裸体習作 61.5×47.0 1887年頃 〃
  39. 黒田清輝 裸婦習作 62.5×48.0 1888年 〃
  40. 黒田清輝 裸婦習作 62.5×47.3 1888年 〃
  41. 黒田清輝 裸体習作 63.0×47.0 1888年 〃
  42. 黒田清輝 裸体習作 63.0×48.0 1888年 〃
  43. 黒田清輝 女の顔 62.5×47.4 1889年 〃
  44. 黒田清輝 裸体習作 62.5×47.0 1889年 〃
  45. 黒田清輝 裸体習作 62.5×47.0 1889年 〃
  46. 黒田清輝 女の顔 63.0×48.0 1890年頃 〃
  47. 黒田清輝 編物する女 62.5×47.5 1890年頃 木炭・紙
  48. 黒田清輝 編物する女 62.5×47.5 1890年頃 〃
  49. 黒田清輝 夏図画稿・女の顔 47.5×31.5 1892年頃 〃
  50. 久米桂一郎 寒林枯葉 44.4×60.2 1891年 〃
  51. 久米桂一郎 林檎拾い 115.2×87.8 1891年 〃
  52. 久米桂一郎 晩秋 73.0×98.0 1892年 〃
  53. 久米桂一郎 夏の夕(鎌倉の景) 42.3×55.1 1894年 〃
  54. 久米桂一郎 裸体習作 61.0×47.0 1887年 〃
  55. 久米桂一郎 裸体習作 61.8×46.5 1887年 〃
  56. 久米桂一郎 裸婦習作 62.0×47.5 1887年 〃
  57. 久米桂一郎 裸婦習作 62.0×47.0 1888年 〃
  58. 久米桂一郎 裸婦習作 62.0×47.0 1889年 〃
  59. 岡田三郎助 西洋婦人像 46.5×35.2 1898年 油彩・画布
  60. 岡田三郎助 ムードンの夕暮 54.3×65.7 1899年 〃
  61. 岡田三郎助 薔薇の少女 119.0×79.0 1901年 〃
  62. 岡田三郎助 婦人像 73.0×61.0 1907年 〃
  63. 岡田三郎助 萩 124.2×80.3 1908年 〃
  64. 岡田三郎助 髪を梳く女 60.0×46.0 1915年 〃
  65. 和田英作 少女 新聞を読む 54.8×84.8 1897年 〃
  66. 和田英作 公園の夕暮 35.0×26.9 1900年 〃
  67. 和田英作 読書 73.0×53.5 1902年 〃
  68. 和田英作 思郷 95.8×67.3 1902年 〃
  69. 和田英作 おうな 93.8×136.7 1908年 〃
  70. 白瀧機之助 稽古 135.0×195.5 1897年 〃
  71. 山下新太郎 読書 92.0×73.0 1908年 〃
  72. 山下新太郎 ノラ・ファルク嬢 46.0×38.0 1908年 〃
  73. 山下新太郎 シュザンヌ 53.0×43.0 1909年 〃
  74. 山下新太郎 靴の女 71.7×59.8 1910年 〃
  75. 斎藤豊作 フランス風景 I80.3×65.2 1910年 〃
  76. 児島虎次郎 里の水車 87.0×141.0 1906年 〃
  77. 児島虎次郎 岸の森 64.5×79.5 1908年 〃
  78. 児島虎次郎 凝視 116.0×89.0 1909年 〃
  79. 児島虎次郎 ベゴニヤの畠 91.0×118.0 1910年 〃
  80. ジャン=ポール・ローランス アンギアン公の処刑 165.2×104.3 1872年 〃
  81. ジャン=ポール・ローランス 聖務停止 116.2×181.0 1875年 〃
  82. ジャン=ポール・ローランス ポルトガルのイザベルの棺の前のフランソワ・ド・ボルジア 229.0×157.0 1876年 〃
  83. ジャン=ポール・ローランス 待つ 40.5×27.0 〃
  84. ジャン=ポール・ローランス ひざまづく修道士の習作 46.0×38.0 〃
  85. ジャン=ポール・ローランス 聖ジュヌヴィエーヴの死 65.5×50.0 〃
  86. ジャン=ポール・ローランス 聖ジュヌヴィエーヴの死の習作 40.1×29.1 1880年 〃
  87. ジャン=ポール・ローランス 聖ジュヌヴィエーヴの死の習作 41.0×27.5 〃
  88. ジャン=ポール・ローランス パンテオンの装飾のための習作 26.5×21.3 〃
  89. ジャン=ポール・ローランス ベートーヴェン讃 51.0×31.0 木炭・パステル、淡彩・グワッシュ
  90. 鹿子木孟郎 白衣の少女 56.1×73.6 1901年〜1903年 油彩・画布
  91. 鹿子木孟郎 裸婦 80.4×44.2 1902年 〃
  92. 鹿子木孟郎 裸婦(エチュード) 77.0×43.5 1903年 〃
  93. 鹿子木孟郎 裸婦 (エチュード) 78.5×43.5 1901年〜1903年 〃
  94. 鹿子木孟郎 新夫人 94.0×90.0 1909年 油彩・画布
  95. 鹿子木孟郎 画家の妻 90.0×114.0 1921年 〃
  96. 鹿子木孟郎 裸体習作 62.5×48.0 1902年 木炭・紙
  97. 鹿子木孟郎 裸体習作 62.5×48.0 1902年 〃
  98. 鹿子木孟郎 裸体習作 62.5×48.0 1902年 〃
  99. 中村不折 裸婦立像 78.0×44.5 1903年 油彩・画布
  100. 中村不折 老漁夫 167.0×97.0 1906年 〃
  101. 中村不折 落椿 117.0×80.0 1912年 〃
  102. 中村不折 廓然無聖 193.5×142.5 1914年 〃
  103. 中村不折 裸体習作 63.0×48.0 1901年―1905年頃 木炭・紙
  104. 中村不折 裸体習作 63.0×48.0 1902年 〃
  105. 中村不折 裸体習作 63.0×48.0 1901年―1905年頃 〃
  106. 中村不折 裸婦習作 63.0×48.0 1902年 〃
  107. 中村不折 裸婦習作 63.0×48.0 1901年―1905年頃 〃
  108. 満谷国四郎 裸婦 80.3×65.2 1900年頃 油彩・画布
  109. 満谷国四郎 かりそめの悩み 134.0×88.0 1907年 油彩・画布
  110. 満谷国四郎 椅子による裸婦 79.5×64.0 1912年 〃
  111. 満谷国四郎 坐婦(画室内小景) 65.0×54.5 1912年 〃
  112. 安井曾太郎 田舎の寺 46.5×55.0 1909年 〃
  113. 安井曾太郎 風景 37.9×45.5 1911年 〃
  114. 安井曾太郎 足を洗う女 116.5×88.8 1913年 〃
  115. 安井曾太郎 裸婦習作 62.5×48.0 1907年―1910年頃 木炭・紙
  116. 安井曾太郎 裸婦習作 62.5×48.0 1907年―1910年頃 〃
  117. 安井曾太郎 裸婦習作 62.5×48.0 1907年―1910年頃 〃
  118. 安井曾太郎 裸体習作 62.5×48.0 1907年―1910年頃 〃
  119. 安井曾太郎 裸体習作 62.5×48.0 1907年―1910年頃 〃
  120. フェルナン・コルモン カリエ=ベルーズの肖像 81.5×66.0 1877年 油彩・画布
  121. フェルナン・コルモン 熊狩りからの帰還 150.0×200.0 1882年 〃
  122. フェルナン・コルモン 製鉄所 59.0×78.0 1893年 〃
  123. フェルナン・コルモン 鉄の時代 65.0×80.5 1914年 〃
  124. カロリュス=デュラン 手袋の婦人 228.0×164.0 1869年 〃
  125. カロリュス=デュラン エテイエンヌ・アロの肖像 73.5×60.0 1873年 〃
  126. カロリュス=デュラン G.F(フェドー)夫人の肖像 190.5×127.8 1897年 〃
  127. カロリュス=デュラン オーガスタス・コー・ガーニーの肖像 116.0×92.5 1910年 〃
  128. カロリュス=デュラン 病み上がり 99.0×126..5 〃
  129. 藤島武二 裸婦 79.6×75..4 1906年 〃
  130. 藤島武二 ヴェルサイユ風景 73.0×91.0 1906年―1907年 〃
  131. 藤島武二 扇 64.0×41.5 1908年―1909年 〃
  132. 藤島武二 チョチャラ 45.0×38.0 1908年―1909年 〃

図録

ひるういんどno.5;荒屋鋪透 「アカデミズム再考−『日本近代洋画の巨匠とフランス展』研究ノート(いんてるめっつお)

ひるういんどno.6;荒屋鋪透 「ル・サロン 或はブルジョア・レアリスムの温床−『日本近代洋画の巨匠とフランス展』研究ノート(いんてるめっつお2」

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