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タピエス (Antoni Tàpies /1923-2012)
ひび割れた黒と白い十字
1976年 ミックストメディア、木
アントニ・タピエスは、現代スペイン美術の第一人者であり、またアンフォルメルの旗手にとどまらず、戦後ヨーロッパを代表する作家として評価が高い。1923年にバルセロナに生まれ、大学では法律を学びながらも、20代半ばに仲間達と『ダウ・アル・セット(七つの目の骰子)』を創刊し意欲的に作品を発表する。その後は、ヴェネツィア・ビエンナーレ(1954,1958)やカッセルのドクメンタ(1964)に参加するなど、国際的にもめざましい活躍を遂げている。その作品は、初期からコラージュを活用し、作品が提示する再現性よりも物質性を強調している。1940年代後半以降のシュルレアリスム風の幻想的な作風を経て、1953年頃からは一貫して、稠密な物質と、それに加えられる外部からの力との、極めて強い相克を主題としている。
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