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元永定正 (もとながさだまさ/1922- )
作品
1966年 アクリル・キャンバス
元永定正は上野市出身で国際的に活躍している画家である。「日本人の絵はまじめそうなのが多いし、賢そうなのばっかりやから、ちょっとアホなことやってもええやないか」と彼は述べ、つらいことを拒否し楽しいことを全面に出そうとする。抽象画家が形を創造することは容易なことではないが、元永は偶然を自己の作品に取り込み、他の作家にはない特色を出し続けている。
1960年前後からはじまった、キャンバスに絵具を流す作品の制作によって彼は画家としての地位を固めたが、1966年頃、絵具を流すスタイルの一つのヴァリエーションとして、形の上に、比較的薄くといた絵具を流した作品の制作を試みた。1966年10月に元永が渡米し、このスタイルによる作品制作が中断されたために、こうした作品は2点しか残っていない。
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