会場 | 会期 |
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総合福祉センターふれあい、名張市 | 2002年10月26日(土)~31日(木) |
小俣町図書館ホール | 2002年11月16日(火)~12月1日(日) |
ふれあい広場 マンドロ、紀伊長島町 | 2002年11月26日(火)~12月1日(日) |
三重県立熊野少年自然の家 | 2003年3月1日(土)~3月2日(日) |
ごあいさつ
三重県立美術館では、名張市におきまして、所蔵作品による2002年度移動美術館「かたちの遠近」展を開催することになりました。
移動美術館は、三重県立美術館の最も重要な活動のひとつとして毎年開催されています。三重県立美術館にたびたび訪れることがむずかしい地域の方々には、美術館のコレクションを身近に鑑賞できる機会として、好評をいただいております。
今回の移動美術館は、20世紀に生まれた作品を中心に、「かたち」をキーワードにした展示を試みました。すでに前の世紀になってしまった20世紀は、これまでになく激動の時代でしたが、美術の世界でも多様な表現がわずかな期間に目まぐるしく誕生し、流行しました。とくに、1910年代から次々と発表されるようになった抽象作品は、感覚的・直接的に私たち鑑賞するものに訴えかけ、表現としての「かたち」はますます豊かになったといえるでしょう。
そして、もうひとつのキーワードは「遠近」です。画家あるいは彫刻家と呼ばれる人たちは、自分たちの世界を表現するために、目にみえるモティーフ(題材)から想像上のものまでを、遠いところと近いところ、さまざまな視点で見つめています。たいへん大まかな分け方ですが、「人のいる風景」「近くのものをみつめる」「ひと・いきものを見つめる」「風景をみつめる」、それに芸術家が制作するキャンバスや木材をみつめながら、そこに出来上がってくるかたちと向き合うといった意味で「かたちをみつめる」を加えてみました。この分け方によって、技法も制作年代もバラバラになってしまいますが、その中に、芸術家たちのなにかしら共通した造形志向が潜んでいないかということ、また芸術家が作品を通じて訴えたいことのヒントが発見できれば、という期待があります。そして、鑑賞される皆様が、普段親しんでいる芸術家のある作品に対して、別の見え方、感じ方に変わることがあれば、非常にうれしい限りです。
最後になりましたが、2002年度名張市での移動美術館開催にあたり、ご協力いただきました関係各位に厚くお礼申し上げます。
2002年10月
三重県立美術館
人のいる風景 | ||||
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1 | 歌川広重 | 「丸清版・隷書東海道五十三次」より(箱根・夜中松明とり) | 1847-51(弘化4-嘉永4)年頃 | 木版・紙 |
歌川広重 | 「丸清版・隷書東海道五十三次」より(京・三条大はし) | 1847-51(弘化4-嘉永4)年頃 | 木版・紙 | |
歌川広重 | 「丸清版・隷書東海道五十三次」より(日本橋) | 1847-51(弘化4-嘉永4)年頃 | 木版・紙 | |
歌川広重 | 「丸清版・隷書東海道五十三次」より(庄野) | 1847-51(弘化4-嘉永4)年頃 | 木版・紙 | |
歌川広重 | 「丸清版・隷書東海道五十三次」より(島田・大井川) | 1847-51(弘化4-嘉永4)年頃 | 木版・紙 | |
歌川広重 | 「丸清版・隷書東海道五十三次」より(石薬師) | 1847-51(弘化4-嘉永4)年頃 | 木版・紙 | |
2 | ムンク、エドヴァルド | クリスティアニア・ボヘーム I (マイヤー・グレーフェ・ポートフォリオより) | 1895年 | エッチング, ドライポイント・紙 |
3 | 中谷泰 | 煤煙 | 1957(昭和32)年 | 油彩・キャンバス |
4 | 宇田荻邨 | 雪の嵐山 | 1961(昭和36)年 | 紙本着色 |
5 | 小林研三 | コルマーにて | 1978-87(昭和53-62)年 | 油彩・キャンバス |
近くのものをみつめる | ||||
6 | 黒田清輝 | 薔薇の花 | 大正期 | 油彩・板 |
7 | 岸田劉生 | 冬瓜茄子之図 | 1926(大正15/昭和元)年 | 絹本着色 |
8 | 森芳雄 | 大根など | 1942(昭和17)年 | 油彩・キャンバス、板 |
9 | 坂本繁二郎 | 箱 | 1960(昭和35)年 | 油彩・キャンバス |
ひと・いきものをみつめる | ||||
10 | 鹿子木孟郎 | ノルマンディーの浜(習作) | 1907(明治40)年 | 油彩・キャンバス |
11 | 安井曾太郎 | 裸婦 | 1910年(明治43)年頃 | 油彩・キャンバス |
12 | 藤島武二 | 裸婦 | 1917(大正6)年頃 | 油彩・キャンバス |
13 | 山口薫 | シュミーズの女 | 1931(昭和6)年 | 油彩・キャンバス |
14 | 島田章三 | とりたのし | 1961(昭和36)年 | 油彩・キャンバス |
15 | ジョアン・ミロ | 女と鳥 | 1968年 | 油彩・キャンバス |
16 | 橋本平八 | 猫A | 1922(大正11)年 | 楠 |
17 | 柳原義達 | 黒人の女 | 1956(昭和31)年 | ブロンズ |
風景をみつめる | ||||
18 | 斎藤豊作 | 風景 | 制作年不詳 | 油彩・キャンバス |
19 | 小出楢重 | パリ・ソンムラールの宿 | 1922(大正11)年 | 油彩・板 |
20 | 萬鐵五郎 | 枯れ木の風景 | 1924(大正13)年 | 油彩・キャンバス |
21 | 荻須高徳 | 街角(グルネル) | 1929-1930(昭和4-5)年 | 油彩・キャンバス |
22 | 山口長男 | 池 | 1936(昭和11)年 | 油彩・キャンバス |
23 | 高畠達四郎 | オーヴェル古寺 | 1967(昭和42)年 | 油彩・キャンバス |
24 | 斉藤清 | 会津の家 | 1972(昭和47)年 | 紙本墨画着色 |
かたちをみつめる | ||||
25 | 桂ゆき | 作品 | 1958(昭和33)年 | 油彩・キャンバス |
26 | 斉藤義重 | 作品 | 1963(昭和38)年 | 油彩・合板 |
27 | 浅野弥衛 | 作品 | 1967(昭和42)年 | 油彩・キャンバス |
28 | 河鐘賢 | 接合 84-2 | 1984年 | 油彩・キャンバス |
29 | 江口週 | 作品 G-No.5 | 1962(昭和37)年 | クルミ |