新館長のメッセージ
このほど、館長に就任いたしました井上でございます。三重県立美術館の第4代目の館長として三重県の文化振興の一翼を担えることを、大変、光栄に思っております。歴代の館長の方々、スタッフの方々が築いてこられた歴史や財産を大切にしつつ、美術館の更なる発展に向けて最善を尽くしたいと考ております。
顧みれば、美術館のコレクションは1982年の開館当時は360点でしたが、今日では5000点を数えるに至っております。三重県ゆかりの作家や、明治以降の近代洋画、更には日本の近代美術に大きな影響を与えた外国作品など独自の方針に沿って収集された魅力的な作品が揃っております。また、開館以降、80数本の企画展を開催し、多くの方々にご来場いただきました。”スペイン20世紀の美術展”、”批評家 土方定一と戦後美術展”、”柳宗悦展”、”シャガール展”、”曾我蕭白展”などご好評を博した企画展も少なくありません。
私としては、こうした実績を踏まえつつ、今後は、”より開かれた"、”魅力に富んだ”そして”三重からの美術の発信”をキーワードとして、美術館運営に努める考えです。
一方で、美術館は多くの方々のご理解とご支援なくしては充実した活動を展開することはできません。これまでの間、美術館運営をサポートしてくださった欅の会、友の会、美術館協力会、そして第一級の作品を数多くご寄贈くださった岡田文化財団を始めとする関係各位・団体に対して改めて謝意を表明致しますと共に、今後ともご支援・ご協力をお願いし、ご挨拶とする次第です。
三重県立美術館
館長 井上 隆邦
2006年3月