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美術講演会

「ベルリンとエミール・ノルデ」

講師:木村理恵子(栃木県立美術館学芸員)

20世紀初頭のドイツに展開した表現主義を代表する画家、エミール・ノルデ(1867-1956)の展覧会が日本で開催されるのは、1982-83年に東京の国立西洋美術館と北海道立近代美術館で開催されて以来、約20年ぶりのことです。今回は特に水彩画と版画に的を絞り、描かれたモティーフごとに6つの章に分けて、色彩と幻想の画家ノルデの画業をご紹介しています。

展覧会も折り返し地点を過ぎた6月19日(土)、美術講演会が催されました。講師には栃木県立美術館学芸員の木村理恵子さんをお迎えしました。木村さんは、作品の選定、カタログの執筆など本展覧会において中心的な役割を果たされた方です。またゼービュルにあるノルデ美術館にも足を運ばれ、ノルデの作品に描かれた北ドイツ独特の景色を実際にご覧になったり、館長を初め学芸スタッフとの交渉や意見交換もされるなど、本からの知識ではない、「生」の体験に基づくお話が期待されます。

講演会のテーマは「ベルリンとエミール・ノルデ」でした。ベルリンはノルデにとって、「第二の故郷」ともいえる都市でした。当時のベルリンはヨーロッパにおいて中心的な大都市であり、政治経済だけでなく、芸術の面においても、先進的な試みが繰り広げられた場所でした。都市の様々風俗は、ノルデの興味を惹き、彼の作品に描かれたモティーフにも変化をもたらしました。また、特に講演会では、ノルデが親しく交わった芸術家である、演出家マックス・ラインハルト、舞踏家マリー・ヴィグマン、建築家ミース・ファン・デル・ローエの3名を取り上げ、異分野の芸術家たちとの刺激的な相互影響関係を、写真やノルデの作品を例に挙げながら説明してくださりました。それらはただ作品を見ているだけでは捉えがたい時代の空気のようなものを、現代に生きる私たちにも感じさせてくれるものでした。

お話を伺った後、改めて展示室に戻る方々もいらっしゃいました。ノルデの作品をより豊かに味わうきっかけになればと願っています。

(学芸員 生田ゆき)

友の会だよりno.66, 2004.7.31

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