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【展覧会案内】

かたちびと 島田章三展

(1999年1/5(火)―2/14(日))

毛利伊知郎(学芸員)

島田章三さんは、1933年(昭和8)、神奈川県浦賀町(現横須賀市)の出身ですが、1966年(昭和41)以降、名古屋を拠点をとして活発な活動を行っています。キュビスムを基調に、都会的な洒落たセンスあふれる島田さんの作品を眼にした方も多いと思います。

島田章三さんは、少年時代から絵画に親しみ、高校時代に画家になることを決心して、1954年(昭和29)に東京芸術大学美術学部油画科に進みました。東京芸術大学では伊藤廉教室に所属しましたが、1957年(昭和32)の第31回国画会展出品作<ノイローゼ>の国画賞受賞、福島繁太郎の推薦による個展開催、卒業制作<箱舟>の大橋賞受賞など、在学中から頭角を現しました。

1950年代後半から60年代初頭にかけて、当時流行したアンフォルメル絵画にも接近するなど様々な模索が続けられましたが、1963年(昭和38)以降は国画会への出品の他に、毎年個展を開催するなど本格的な活動が始まります。

1966年(昭和41)、島田さんは愛知県立芸術大学に赴任します。1967年(昭和42)には、第11回安井賞候補新人展で<母と子のスペース>が安井賞を受賞、翌年から1年ほどヨーロッパに滞在しましたが、この滞欧は、島田さんにとって大きな転機となります。ヨーロッパで多くの絵画に接した島田さんは、キュビスムを「日本人の言葉(造形)で翻訳してみたい」と考え、キュビスムの再認識を基盤とした独自のスタイルが生まれました。

1970年代に入ると、人物を構築的に処理した「かたちびと」の世界が島田作品に生まれます。ここでは、人物と日常的な室内の情景や風景とが、抽象化された色面や線描によって表され、構築的な造形を基盤とした抒情的な絵画世界を見ることができますが、そうした「かたちびと」の世界は、様々な展開を見せて、現代の現在も描きつがれています。

このたびの展覧会は、現代の具象洋画に多くの刺激を与えてきた島田章三さんの芸術を、初期から現在に至るまでの油彩画70点と版画・デッサン30点のあわせて100点によって紹介するものです。

友の会だより 49号、1998・11・25

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