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美術館 > 展覧会のご案内 > 柳原義達記念館 > 【柳原義達の芸術】2016年度第4期後半展示 2017.2.21-3.26 柳原義達記念館

【柳原義達の芸術】2016年度第4期~2017年度第1期展示

2017年2月21日(火)-6月25日(日)

彫刻原型とブロンズ像

 彫刻家は粘土で作品をつくります。しかし、粘土は脆弱なので長期保存ができません。そこで、完成した粘土像は石膏や合成樹脂で型取りされます。そうしてつくられた石膏や合成樹脂の像を原型として鋳造されたのがブロンズ(青銅)の彫刻です。鋳造されたブロンズ像はそのままでは鑑賞に不向きなので、薬品などで表面に着色が施されます。原型があれば、ブロンズ彫刻を複数鋳造することも可能です。ロダンの《考える人》が世界各地にあるのが、その典型的な例です。
 柳原義達の彫刻原型は当初石膏製でしたが、1970年代以降は合成樹脂製が多くなります。合成樹脂の方が石膏よりも軽量であることが大きな理由です。彫刻原型は作者の手の動きをもっとも忠実に伝えています。原型も、鋳造を重ねると摩耗が進行します。しかし、鋳造回数の少ない原型とブロンズ像とを比較すると、原型には手の動きによる微妙な凹凸、作者が意図したフォルムがより鮮明に現れていると思います。原型とブロンズ像とでは作品の表情がちがって見えることもあります。
柳原彫刻の鋳造は埼玉県川口市にある彫刻専門の鋳造所で、真土型鋳造(まねがたちゅうぞう)という伝統的な鋳造技法によって行われていました。真土型鋳造は原型の微妙な形状を写し取ることが可能な鋳造技法といわれます。しかし、それでも原型とブロンズ像では原型の状態、鋳造時の環境、着色などによって印象が異なります。
 当館では柳原義達のブロンズ彫刻や素描に加えて、主要な彫刻原型の寄贈も受けました。故柳原操氏(柳原義達氏夫人)の社会貢献に対するご遺志を受け継がれたご遺族のご厚意によって、3年ほど前から彫刻原型の修復を行ってまいりました。今回の展示では修復が完成した原型とブロンズ彫刻とを比較しながら鑑賞していただけるコーナーを設けました。この展示が柳原作品の背景と彫刻芸術の特質を多くの方々にご理解いただける機会となれば幸いです。

 最後になりましたが、貴重な作品と資料をご寄贈いただいた故柳原義達・柳原操ご夫妻、原型修復にご高配を賜りました橘川雄一氏、その他関係各位に深くお礼申しあげます。
 

展示室A:

作者名 生没年 作品名 制作年 材質 寸法 備考
柳原義達 1910-2004 道標・鴉 1968(昭和43)年 ブロンズ 139×48.0×127 柳原義達氏寄贈
道標・鳩 1979(昭和54)年 ブロンズ 33.0×42.0×30.0 柳原義達氏寄贈
道標・鳩 1973(昭和48)年 ブロンズ 41.0×27.5×52.0 柳原義達氏寄贈
1960年代 ブロンズ 15.0×35.5×15.0 柳原義達氏寄贈
道標・鳩 1973(昭和48)年 ブロンズ 55.5×19.0×42.0 柳原義達氏寄贈
道標・鳩 1973(昭和48)年頃 ブロンズ 55.0×53.0×23.0 柳原義達氏寄贈
道標・鳩 1972(昭和47)年 ブロンズ 47.5×15.5×48.0 柳原義達氏寄贈
黒人の女 1956(昭和31)年 ブロンズ 64.0×22.5×20.0  
裸婦立像 1960-83(昭和35-58)年 ブロンズ 171×52.0×51.0 柳原義達氏寄贈
犬の唄 1950(昭和25)年 ブロンズ 170×47.5×40.0 柳原義達氏寄贈
座る女 1958(昭和33)年 ブロンズ 70.0×115×47.0 柳原義達氏寄贈
靴下をはく女 1991(平成3)年 ブロンズ 121×51.0×105 柳原義達氏寄贈
坐る 1960(昭和35)年 ブロンズ 133×61.0×92.5 柳原義達氏寄贈
道標・鴉 1978(昭和53)年 ブロンズ 55.0×23.0×70.0 柳原義達氏寄贈
道標(風と鴉) 1966(昭和41)年 ブロンズ 66.0×21.0×60.0 柳原義達氏寄贈


展示室B:

作者名 生没年 作品名 制作年 材質 寸法 備考
柳原義達 1910-2004 1948(昭和23)年 ブロンズ 31.5×14.5×20.0 柳原義達氏寄贈
1948(昭和23)年 原型(石膏) 31.5×14.5×20.0 柳原義達氏寄贈
バルザックのモデルたりし男 1957(昭和32)年 ブロンズ 43.0×23.0×29.0  
バルザックのモデルたりし男 1957(昭和32)年 原型(石膏) 43.0×23.0×29.0 柳原義達氏寄贈
女の首 1958(昭和33)年 ブロンズ 34.5×19.0×22.0 柳原義達氏寄贈
女の首 1958(昭和33)年 原型(石膏) 34.5×19.0×22.0 柳原義達氏寄贈
1963(昭和38)年頃 ブロンズ 24.0×21.0×13.0 柳原義達氏寄贈
1963(昭和38)年頃 原型(石膏) 24.0×21.0×13.0 柳原義達氏寄贈
道標・鳩 1973(昭和48)年 ブロンズ 56.5×56.0×24.0 柳原義達氏寄贈
道標・鳩 1973(昭和48)年 原型(石膏) 56.5×56.0×24.0 柳原義達氏寄贈

 

記念館ロビー、廊下:

作者名 生没年 作品名 制作年 材質 寸法 備考
柳原義達 1910-2004 道標・鴉 1970(昭和45)年頃 ブロンズ 142×68.0×120 柳原義達氏寄贈
道東の四季・秋 1977(昭和47)年 ブロンズ 231×58.0×56.0 柳原義達氏寄贈

 

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