このページではjavascriptを使用しています。JavaScriptが無効なため一部の機能が動作しません。
動作させるためにはJavaScriptを有効にしてください。またはブラウザの機能をご利用ください。

サイト内検索

美術館 > 刊行物 > 年報 > 2015年度版 > 年報2015 企画展 戦後70年記念 20世紀日本美術再見 1940年代

 

年報2015年度版 【戦後70年記念 20世紀日本美術再見 1940年代】

2015年7月11日(土)-9月27日(日)

【主催】…三重県立美術館、中日新聞社

【助成】…公益財団法人岡田文化財団、公益財団法人三重県立美術館協力会、芸術文化振興基金、一般財団法人自治総合センター

【担当】…毛利伊知郎、原舞子、道田美貴、樋口萌

【ゲストキュレータ―】...竹葉丈(名古屋市美術館学芸員)、土田眞紀(美術史家)

【広報物デザイン】…谷澤陽佑


戦後70年記念 20世紀日本美術再見 1940年代 チラシ

 

展覧会の概要

 当館が1995年から99年にかけてシリーズで開催してきた「20世紀日本美術再見」をテーマとした展覧会を継承し開催。20世紀の日本美術を10年単位で総括的に検証することを目的とし、今回の展覧会では、時代の大きな転換期であった1940年代の日本美術の再検討を行おうとするもの。

 1940年代とは、1930年代から始まる戦争に引き続いた時代であり、1945年には日本の降伏で戦争が終結する。以後、日本はアメリカを中心とする連合国の占領下におかれ、いわゆる戦後が始まった。従来の日本近代美術史では、1945年の敗戦を境に「戦前」と「戦後」を分断し、ふたつの隔てられた存在はそれぞれ異なる展開を見せた時代として位置づけられてきた。しかし、造形表現を丹念に見てゆけば、たとえ社会状況が180度転回したと思われているこの時期においても、美術家たちの表現が途切れることはなく、ひとつの時間軸の中に確実に存在し、活動が続けられてきたことが理解されるはずである。

 この展覧会では、1940年代に制作された絵画、彫刻、工芸、写真、建築など各分野の作品と資料とを通じて、戦争の大きな影響を受けて揺れ動いた1940年代の日本美術の諸相と特質を検証した。奇しくも、開催した2015年は戦後70年という節目の年にあたり、全国各地の美術館等でもこの時代に焦点をあてた展覧会が多数開催された。その中でも、絵画のみにとどまらず、幅広いジャンルの美術を紹介することに努めた本展は、美術関係者を中心に好評を得るものとなり、展覧会開催後も美術批評誌や美術雑誌等に取り上げられ、今の時代に本展を開催する意義を評価された。扱う時代、内容の影響か、観覧者数は必ずしも多くはなかったものの、当時を知る人々も少なくなり、また資料の散逸なども進む中、可能なかぎりこの時代の美術を集め並べることで、資料を保存、活用し後世に伝えるアーカイブとしての機能、個々の美術家の造形表現に目を向けた美術館としての一定の役割を果たせたのではないかと思う。また、展示をご覧いただいた観客の中からは、今の不穏な時代を逆照射する内容だったとの声もいただいた。
 

戦後70年記念 20世紀日本美術再見 1940年代展会場1 戦後70年記念 20世紀日本美術再見 1940年代展会場2
戦後70年記念 20世紀日本美術再見 1940年代展会場3 戦後70年記念 20世紀日本美術再見 1940年代展会場4
戦後70年記念 20世紀日本美術再見 1940年代展会場5 戦後70年記念 20世紀日本美術再見 1940年代展会場6

 

会期中のイベント

1.連続講座

第1回

8月1日(土) 午後2時~午後3時30分
講師:竹葉丈(名古屋市美術館学芸員、本展ゲストキュレータ―)
内容:「1945年・秋―写真家たちの“出直し”」
会場:美術館講堂
参加人数:31人


第2回

9月13日(日) 午後2時~午後3時30分
講師:土田眞紀(美術史家、本展ゲストキュレータ―)
内容:「1940年代の工芸について」
会場:美術館講堂
参加人数:89人

2.担当学芸員によるギャラリートーク

7月18日(土) 午後2時~2時45分
担当:原舞子
内容:戦時下の美術表現について
参加人数:18人

8月15日(土) 午後2時~2時45分
担当:原舞子
内容:人間表現の追求、モダニズムと伝統
参加人数:30人

9月19日(土) 午後2時~2時45分
担当:原舞子
内容:高山良策《1948 A.D》に見る、占領下日本の諸相
参加人数:41人

3.美術セミナー

8月22日(土) 午前10時~午前11時30分
会場:四日市市文化会館
講師:原舞子
内容:「1940年代の日本の美術について」
参加人数:54人

 

4.夏休みこどもひろば

8月8日(土) 参加人数:23人
8月9日(日) 参加人数:15人

協力:三重大学教育学部美術教育コース

毎年夏に行っている三重大学教育学部美術教育コースとの連携イベント。今回は1940年代展に出品されている作品を鑑賞した後、鑑賞から得たものをもとに段ボールで小屋を作るワークショップを行った。

 

主な記事

中日新聞

2015.07.09 「戦後70周年記念企画展「20世紀日本美術再見」 11日から県立美術館で開催」

2015.07.14 「戦争の影 美術にも色濃く」(宮川まどか)

2015.07.15 「「20世紀日本美術再見 1940年代」上 横山大観《夏之霊峰》」(原舞子)

2015.07.16 「「20世紀日本美術再見 1940年代」下 松本竣介《三人》」(原舞子)

2015.07.19 「美術館だより 梅原龍三郎《北京秋天》」(毛利伊知郎)

2015.07.26 「美術館だより 宮本三郎《飢渇》」(毛利伊知郎)

2015.08.02 「美術館だより 香月泰男《埋葬》」(毛利伊知郎)

2015.08.16 「美術館だより 安井仲治《流ボウ(亡に民)ユダヤ―顔》」(毛利伊知郎)

2015.08.23 「美術館だより 小合友之助《花暦》」(毛利伊知郎)

2015.08.29 「美術館だより 丸木俊《アンガウル島へ向かう》」(原舞子)

2015.09.06 「美術館だより 剣持勇《オフィサーズクラブ用の椅子》」(原舞子)

2015.09.20 「美術館だより 高山良策《1948 A.D.》」(原舞子)

2015.09.27 「美術館だより 藤田嗣治《嵐》」(原舞子)
 

朝日新聞

2015.06.17  鈴木裕(聞き手)/原舞子(語り手)「暗さに潜む戦争の影 恩地孝四郎《アレゴリーNo.2 廃墟」(県立美術館 とっておきの物語13) 

2015.08.12  「ナゴヤカルチャー 「今、訴えるしかない」 美術と映画で考える戦争」(小林裕子)

2015.09.03  「戦中戦後 1940年代の工芸振り返る 13日、県立美術館で講演会」

2015.09.09  鈴木裕(聞き手)/原舞子(語り手)「戦争への抵抗 思い託し 柳原義達《犬の唄》」(県
 

毎日新聞

2015.08.05 「ルポ 各地で戦争、平和テーマに美術展 多く描かれた自画像 画家たちの「生き抜き方」に注目」(清水有香、岸桂子)

2015.08.29 「アート 現実と幻想の裂け目表現 小石清《写真集『半世界』より 「舞踏・インフレーション」》」(原舞子)

 

日経新聞

2015.08.24 「戦中戦後 画家の苦闘に光」

2015.09.16 「美術 戦後70年記念 20世紀日本美術再見 1940年代」(千葉真智子)

 

中部経済新聞

2015.09.04 「戦争またぐ美術展 三重県立美術館」


しんぶん赤旗

2015.8.30 「戦争と向き合った美術 なにをどう描いたのか」(金子徹)

 

出品作品リスト

 

展覧会開催時のページ

 

展覧会図録

 

ページID:000183277