指定区分 | 県 |
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指定種別 | 記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財 |
指定・登録日 | 2007(H19)年2月28日 |
市町 | 鳥羽市 |
所在地 | 鳥羽市答志町答志地区 |
所有者 | - |
員数 | - |
構造 | - |
年代 | - |
関係サイト | - |
関連資料 | - |
鳥羽市答志町答志地区では、男子が15歳になると数人の仲間で相談し、家の広さや人柄などの条件を考慮して寝屋親(ねやおや)を頼みにいく慣習がある。寝屋親は寝屋(ねや)として自宅の一室を貸し与え、子供たちは自宅で夕食をすませると寝屋に集まり、寝屋子(ねやこ)として寝泊りしながら時間を共有することになる。この仲間達は寝屋子(ねやこ)朋輩(ほうばい)として、実の兄弟同様の結束を固める。寝屋子は27歳で解散するが、その後も寝屋子朋輩を核とする朋友会(ほうゆうかい)を結成し、生涯親密な付き合い関係を続ける。また、寝屋親を実の親と同様に敬い、生涯親子関係の付き合いを続ける。 答志地区において寝屋子は結成と解散を繰り返すため、調査年によって組数は異なるが、概ね十数組であるが、減少傾向にある。また、各寝屋子の人数は一定ではないが、5~10人前後である。また、寝屋には、屋号や主人の名前などの呼び名をつけて、「○○寝屋」と称している。なお、寝屋子は慣習として地域に定着しているもので、規約や管理団体等は存在していない。 寝屋の慣習は、かつては西日本の漁村を中心に広範囲にみられたが衰微し、ほとんど存続していない。鳥羽市においても各地で行われていたが、現在では答志町答志地区においてのみ続けられ、三重県内においても例をみない。寝屋子の慣習は、漁村に住む人々が地域の環境に適した生活方法を形成し、一種の擬制的親子関係や擬制的兄弟関係を結ぶものであるが、現代では生活形態や地域社会の変容により、伝統的な慣習の維持が危惧される状況にある。よって、「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択し、記録による保存をはかる必要がある。 |