指定区分 | 県 |
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指定種別 | 有形民俗文化財 |
指定・登録日 | 1991(H3)年10月23日 |
市町 | 伊勢市 |
所在地 | 伊勢市小俣町元町 |
所有者 | 浄土寺 |
員数 | 1幅 |
構造 | - |
年代 | 江戸時代 |
関係サイト | - |
関連資料 | - |
中世から近世にかけて、「熊野比丘尼(くまのびくに)」と呼ばれる民間宗教者が、熊野信仰を広めるための絵解きに用いた曼荼羅(まんだら)である。現在は軸装になっているが、折り畳んだ痕跡があり、熊野比丘尼が携帯して持ち運ばれていたことがうかがえる。 中央上部の大きな半円弧(虹状)のかけ橋と、中央下よりに書かれた円相(えんそう)中の「心」の字の二つが、この曼荼羅の特徴である。人の生涯を表すかけ橋に、人の出生から死に至るまでを描いている。その下部に善根(ぜんこん)を積み重ねた者たちが望む来迎(らいごう)の阿弥陀三尊を中心とした仏世界と、さらにその下部に地獄、餓鬼、修羅、畜生、人間などの六道輪廻(ろくどうりんね)の凄惨な世界を描いている。熊野比丘尼は、女性を対象として、この曼荼羅図を用いて人生の流転と極楽往生を絵解きしたものであろうか。 縦143cm、横133.7cmで、裏面に文化12(1815)年に修理したことを墨書している。 |