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近長谷寺本堂
きんちょうこくじほんどう

資料の概要

指定区分
指定種別 有形文化財(建造物)
指定・登録日 2009(H21)年3月11日
市町 多気町
所在地 多気郡多気町長谷字城山
所有者 宗教法人 近長谷寺
員数 1棟
構造 木造、桁行6間、梁間5間、一重、入母屋造、妻入、向拝1間、
本瓦葺
年代 江戸時代中期〔元禄7(1694)年の棟札〕
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概要

 近長谷寺は真言宗山階派に属する寺院であり、十一面観音を本尊とするため、大和の長谷寺に擬して、「近」の字を加えて「近長谷寺」を寺号とするに至ったという。
 現在の境内地は元禄5(1692)年に尾根上に新たに開かれたものであり、これ以前には尾根の下の谷筋にあった。旧境内地では、寛文元(1661)年に参拝した前紀州藩主徳川頼宣の命によって本堂再興がなり、同10 (1670)年に本尊の錫杖や須弥壇・天井・扉が寄進された。元禄3(1690)年の洪水・山崩により仏閣等が残らず損失したため、元禄5年に現在地に移り、同6 (1693)年に現在の本堂を建立した。本堂の建立時期は、棟札の示す元禄7年と考えられるが、その際に寛文建立の前身堂の主要部材を可能な限り再利用し、ほぼ類似する規模・形式で再建したものと思われる。
 現存する本堂は南面し、桁行6間・梁間5間・入母屋造・妻入・本瓦葺で正面に向拝(階段に張り出した屋根)1間を設ける。巨大な十一面観音立像を安置する背の高い室内をつくるため、周囲の柱に直接組物を置き、中央は梁と束によって無柱の内部空間を実現するなど、近世的な構造技術を駆使した建築である。
 建築年代も明確で、建築に関わった森万右衛門は、他にも専修寺御影堂厨子、善光寺本堂などの重要な作例を残しており、その技術的意匠的傾向を把握する上でも重要である。

問い合わせ先:三重県教育委員会事務局 社会教育・文化財保護課
〒514-8570 三重県津市広明町13
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