文化財

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須賀利大池及び小池
すがりおおいけおよびこいけ

資料の概要

指定区分
指定種別 天然記念物
指定・登録日 2012(H24)年1月24日
市町 尾鷲市
所在地 三重県尾鷲市須賀利町大池山他
所有者 国、尾鷲市、須賀利区、個人
員数 -
構造 -
年代 -
関係サイト -
関連資料 -

概要

須賀利大池は、面積約0.058km2、東北東-西南西方向に約500m、幅100mほどの細長い形をした淡水湖で、県内最大の海跡湖(かいせきこ)である。集水域(しゅうすいいき)である稜線から海岸線までに道路や堤防などで寸断されることなく、良好な自然環境が保存されている。西側と東側の開口部や東南端に僅かに外洋に開いた部分があるが、多くは岩盤で隔てられているため、台風や高波時にも外洋水の浸入はなく、大津波が唯一、外洋水の浸入を許す。外洋に面した東側に、逆断層や褶曲(しゅうきょく)、海食棚(かいしょくだな)、海食洞(かいしょくどう)などが見られ、この地域の特徴をよく表している。
 須賀利小池は、須賀利大池の西側に位置する面積約0.0023 km2の小さな海跡湖である。池の水は淡水で、保護上重要な水草類や湿地性の植物が生育する。豊かな水草相(みずくさそう)を有しているのが特徴である。池には県内で2箇所でしか確認されていないヒメシロアサザをはじめ、スブタ、ヤナギスブタ、セキショウモ、クロモ、ミズオオバコなどが豊富みられ、小池は尾鷲市内で唯一残された水草生育地である。
 須賀利大池および小池には、69科148種の維管束(いかんそく)植物が確認されている。大池湖畔には日本最大級のハマナツメの純群落が発達することは特筆すべき点である。また、近畿地方では極めて稀少なアズマツメクサ、外洋に面した断崖や礫浜には、アゼトウナやキノクニシオギクなどが生育する。また、テツホシダ、ツクシナルコなどの希少種やハマホラシノブなど植物分布地理上、貴重な植物が生育する。
 当該海跡湖は、稜線から海岸線までが良好に保存され、全国有数規模のハマナツメ群落がみられる極めて重要な地域である。

問い合わせ先:三重県教育委員会事務局 社会教育・文化財保護課
〒514-8570 三重県津市広明町13
電話番号:059-224-2999/ファックス:059-224-3023/E-mail:shabun@pref.mie.lg.jp
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