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絹本著色釈迦涅槃図 附 貞享四年銘箱
けんぽんちゃくしょくしゃかねはんず つけたり じょうきょう4ねんめいはこ

資料の概要

指定区分
指定種別 有形文化財(絵画)
指定・登録日 2010(H22)年3月11日
市町 熊野市
所在地 熊野市二木島町
所有者 海福山最明寺
員数 1幅 1点
構造 -
年代 江戸時代(前期)
関係サイト -
関連資料 -

概要

 縦198㎝、横187.7㎝、掛幅装。満月の夜に入滅を迎えた釈迦を中心に描かれている。釈迦は、中央の宝棺(ほうかん)の上に北枕・西面で横たわる。宝棺の周囲には、2株1組で4組(合計8本)の沙羅双樹が植えられている。画面右上には、釈迦の生母である摩耶夫人(まやぶにん)が雲に乗って駆けつける様が描かれる。釈迦の周囲には、入滅を嘆く弟子・信者・菩薩・四天王・八部衆(阿修羅や迦楼羅など)といった「五十二衆」が配されている。画面手前には、想像上のものを含む様々な動物が群れ集っている。中央の画郭を囲う上部を除いた三辺には、釈迦の生前から入滅に至るまでの22の場面が右上から右回りに描かれている。
 筆づかいと良質の絵具を用いた彩色から、中央(京都)の絵師による制作と思われる。江戸時代前期の京都における涅槃図の基準的作例と見ることができる。
 附は、本図が納められた箱である。この蓋裏には「貞享四年 当寺義海代」と墨書されており、この涅槃図が貞享4(1687)年以前に制作されたことを示している。
 江戸時代前期の「釈迦涅槃図」は、奈良県や京都府ではさほど珍しいものではないが、全国的に見れば限られている。しかも、本図の制作時期は貞享4年以前であることが特定でき、貴重である。
 本図を所蔵している最明寺は、室町時代の明応5(1496)年に徳源和尚(とくげんおしょう)が建立したと伝える曹洞宗寺院である。本堂は元禄元(1688)年以前に再建された(県指定有形文化財)。

問い合わせ先:三重県教育委員会事務局 社会教育・文化財保護課
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