指定区分 | 県 |
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指定種別 | 有形文化財(典籍) |
指定・登録日 | 2008(H20)年3月19日 |
市町 | 名張市 |
所在地 | 名張市丸之内 |
所有者 | 名張市 |
員数 | 1冊 |
構造 | - |
年代 | 江戸時代後期 |
関係サイト | - |
関連資料 | - |
「永保記事略附録」は『永保記事略』全10冊のうちの1冊で、伊賀市所蔵の「永保記事略並びに拾遺」9冊と合わせて完本(かんぽん)となる。『永保記事略』の主要な制作目的は、藤堂采女家(うねめけ)による伊賀支配の記録として、伊賀を中心とする津藩の法政や人事から習俗・災害・天変地異に至るまでの、様々な事跡を編年することにあった。 「附録」である本書は、「本編」を遡る藤堂高虎の伊賀・伊勢入封(にゅうふ)の慶長13年(1608)8月から、元則の伊賀城代家老就任直前までを記述の対象期間とする、特異な存在となっている。しかし、本文の記述形式及び装丁(そうてい)や紙質等は、伊賀市所蔵の「本編」や「拾遺」と共通し、筆跡も同一である。また、書入(かきいれ)や貼紙(はりがみ)等の共通性から、伊賀市所蔵の「本編」と同様に再校本(さいこうぼん)と位置づけられる。これらのことから、成立時期も「本編」や「拾遺」と同じ、文政2年(1819)頃と推定される。 「附録」の存在が知られるようになったのは、名張市への藤堂宮内家資料の寄贈に伴う資料調査(平成2・3年度、名張市)が発端である。多くの文書や記録・書籍類のうちに「附録」1冊が見出され、平成4年にその全文が紹介されている(『名張藤堂家歴史資料目録』)。全10冊のうちの1冊が分離して伝来した経緯は明らかではないが、「附録」の存在は『永保記事略』を完本とし、また伊賀市所蔵の「本編」や「拾遺」の内容を補完することから、その存在意義は極めて大きい。 当「付録」は、伊賀市所蔵の「本編」や「拾遺」と合せて、初期津藩の藩政史研究に欠くことのできない重要な史料である。 |