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漆経塚出土品 経筒二個 銅鏡十二面 磁器三個 古銭二個 刀子、経巻軸、土器破片一括
うるしきょうづかしゅつどひん

資料の概要

指定区分
指定種別 有形文化財(考古資料)
指定・登録日 1952(S27)年3月13日
市町 津市
所在地 津市美杉町下多気漆
所有者 漆区
員数 1括
構造 -
年代 平安時代(後期)~鎌倉時代(前期)
関係サイト -
関連資料 -

概要

 昭和9年に山王権現社跡南の「御壷山」から掘り出された。「経筒2個」は銅製1個、陶器製1個である。「銅鏡12面」は、湖州鏡1面、方形鏡1面、円形鏡10面である。「磁器3個」は、青白磁合子(身)2個と青白磁輪花皿1個で、合子の裏面には型押し整形時の陽刻文字がある。「古銭2個」はいずれも北宋銭。「刀子・経巻軸・土器破片一括」は、鉄製剣及び小刀4点、経巻軸は長短合わせて10本、青白磁合子(身)などである。
 指定文化財の他に、陶器製経筒6、瓦質土器経筒1、土師質経筒4、鉄製槍1、陶器碗片2の存在が知られている。経筒には渥美半島産・知多半島産のものがある。瓦質土器経筒は珍しく、伊賀・大和方面との関係を窺わせる。土師質経筒は南伊勢地域に分布する土器類と手法や形状が類似する。これらは、平安時代後期末から鎌倉時代初頭頃のものと考えられる。
 漆地区は、伊賀・伊勢の境界に近い高所にあたる。当経塚の造営には、伊勢あるいは伊賀の有力者が関与していると考えられる。また、山王権現社も当経塚と何らかの関係を有すると想定できる。
 なお当地区からは、鏡面に毘沙門天立像と梵字等(毘沙門天・十一面観音・大黒天)を刻み、裏面及び側縁に「道祖神/□□躰」「永仁六年□月□日奉施入尊貞之執筆良尊/同年六月十四日奉良尊書写之」の刻銘を有する双雀鏡(懸仏として用いられたと考えられる)が別途出土している。少なくとも鎌倉時代後期まで、仏教信仰にかかる施設が当地に存在していたことを示している。

問い合わせ先:三重県教育委員会事務局 社会教育・文化財保護課
〒514-8570 三重県津市広明町13
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