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大江の羯鼓踊
おおえのかっこおどり

資料の概要

指定区分
指定種別 無形民俗文化財
指定・登録日 2019(H31)年1月28日
市町 伊賀市
所在地 伊賀市馬場
所有者 大江羯鼓踊保存会
員数 -
構造 -
年代 -
関係サイト -
関連資料 -

概要

 大江の羯鼓踊は、伊賀市大江地区に伝承される踊りで、毎年4月20日、陽夫多神社(伊賀市馬場)の春祭に奉納される。県内で「かんこ踊り」と総称される風流太鼓踊りのひとつである。起源は明確でないが、寛永年間(1624~45年)に雨乞いの踊りとして始まったと言われており、旧大江村の氏神である火明(ほあかし)神社の境内で祇園祭(旧暦6月14日)に奉納されてきた。明治41(1908)年、火明神社が陽夫多神社に合祀されてからは、春祭に奉納されている。
 現在踊ることができる曲は、「祠入踊」「お宮踊」「世の中踊」「御城踊」「御殿踊」「虎松踊」「信玄踊」「鐘巻踊」「かえせ」「小順逆」の10曲である。
 踊りの役者は、貝吹き2人、楽打ち(大太鼓)2人、踊り子6人、歌出し4人、鬼4人の計18人で構成される。配列は、貝吹きと楽打ちが正面から庭を向き、歌出し・踊り子・歌出しの順で2列をとり、その左右に青と赤の鬼が並ぶ。
 貝吹きは浅葱色の着物に菅笠を被り、わらじを履き、ほら貝を吹く。楽打ちは貝吹きと同様の衣装であり、台車に載せられた鋲打ちの長胴太鼓を叩く。大太鼓には、桜の枝を挿して飾る。踊り子は、腹部にさらしで鞨鼓を巻き、細く割った竹に紙を染めた花と葉をつけて枝垂れ桜に似せた飾りのオチヅイを背負い、浅葱色の着物に、よもぎ色の裁着姿、わらじを履き、頭にはキジやクジャクなどの羽でできた被り物を着ける。歌出しは、浅葱色の着物に羽織を重ねて、笠を被っており、左手に歌本、右手に団扇を持って拍子をとる。鬼は赤鬼2人と青鬼2人の構成をとり、左手に団扇、右手にバイを持つ。
 伊賀のかんこ踊りの大きな特徴は、「じんやくや」などと節毎に囃す「じんやく踊り」を伝えるところにある。「じんやく踊り」は伊賀地域を中心にして滋賀・京都・奈良など周辺地域に分布するが、伊賀新大仏寺の雨乞い信仰とともに、周辺に伝播したと推測されている。「じんやく踊り」は「神役」「重役」などと記す例が語るように、特別な曲とされるが、節拍子が句毎に変化する難しい踊りであり、肉体的負担も大きいため、廃曲となった例が多い。大江の羯鼓踊は、数少ない伊賀のかんこ踊りの「じんやく踊り」の姿を伝えており、学術的価値が高い。

問い合わせ先:三重県教育委員会事務局 社会教育・文化財保護課
〒514-8570 三重県津市広明町13
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