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志摩半島の生産用具及び関連資料
しまはんとうのせいさんようぐおよびかんれんしりょう

資料の概要

指定区分
指定種別 登録有形民俗文化財
指定・登録日 2016(H28)年3月2日
市町 志摩市
所在地 志摩市(志摩市歴史民俗資料館)
所有者 志摩市
員数 3828
構造 -
年代 明治~昭和30年代
関係サイト -
関連資料 -

概要

志摩半島の生産用具及び関連資料は、三重県の中東部に位置する志摩半島において、漁撈や農耕などの生業に使用された用具と、船大工や鍛冶屋などの諸職の用具を広域的に収集したものである。
 本件は、昭和54年の志摩民俗資料館の開館に向けて、日本観光文化研究所が志摩半島全域から収集した資料を母体とし、それに旧志摩郡に属していた旧浜島町・大王町・志摩町・阿児町・磯部町がそれぞれ収集していた資料を加え、平成16年の合併、志摩市の成立を機に、同市が一つの資料群として分類、整理を進めてきたものである。
 志摩半島では、英虞湾や的矢湾)などリアス式海岸が発達した湾内の穏やかな内海においては、イワシやボラ、ナマコなどを対象とした網漁、明治時代中期からはじまる真珠や海苔、カキなどの養殖のほか、ナマコの加工品であるキンコ作りなども行われ、黒潮の影響下にある外洋に面した表海においては、回遊するカツオを狙った一本釣りの鰹漁や鰹節加工、貝類や海藻類などを素潜りで採る海女漁が主に行われてきた。その一方、内陸部の多い旧阿児町や旧磯部町では、入り組んだ谷筋において稲作や畑作も盛んで、山樵や養蚕、養蜂なども行われていた。また、漁撈を支える諸職として、船大工や桶屋、鍛冶屋などの職人も数多くおり、市域の東端部にある旧大王町の波切は、良質の石材が産出され、各地の築港や河川工事に活躍した石工集団がいた。そのほか、旧阿児町や旧磯部町には、材料の粘土や燃料の雑木が豊富に得られたことから瓦屋も多く、船便の良い立地を生かして鳥羽方面にも出荷していた。本資料は、このような志摩半島における生産活動に用いられた各種の用具によって構成される。
 なお、関連資料として、本収集には、昭和30年に英虞湾にある賢島に建設され、日本の真珠養殖の発展に寄与した旧国立真珠研究所の資料も含まれている。母貝の施術用具や各種の核、真珠見本などが一式揃っている。
 本件は、志摩半島で用いられた漁撈用具や農耕用具、諸職用具などを広域的に収集したもので、半島全域の生産活動を伝える資料群となっている。とくに漁撈用具が充実しており、真珠養殖などこの地域の近代以後の産業の特色も示す資料群となっている。周囲を海に囲まれ、半島部の多い我が国の生業の変遷や地域差を考えるうえで注目される。(文化庁HP「国指定文化財等データベース」より)

問い合わせ先:三重県教育委員会事務局 社会教育・文化財保護課
〒514-8570 三重県津市広明町13
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