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三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > 陶製湯たんぽ

陶製湯たんぽ

資料名 陶製湯たんぽ 資料番号 1197
時代 昭和時代 寸法 長さ:24.5cm
幅 :21.5cm
高さ:10.0cm
解説

写真の陶製(とうせい)湯たんぽは、現在の松阪市黒部町地域の農家で使われていたものですが、いつ頃使っていたかは伝わっていません。聞き取り調査から第二次世界大戦中には鉄製のものが使えなくなって、その代用として陶製のものが売り出されていたということです。地元では、こうした商品を販売する店がなかったので、松阪市内まで出かけて金物屋で買い求めていました。また、この頃は、殆どの家で湯たんぽを使っていました。
湯たんぽは、熱いお湯をいれて使うことから、やけどしないために直接、陶器の面に触れないよう布で包んで使うのが一般的だったようです。お湯は、朝まで温かかったことから、このお湯を使って朝の洗顔をしていたという話も伝わっています。11月の終わり頃から使い始めて、4月の半ば頃には片づけるのが一般的な使用期間ですが、気候の変化などで足しようのズレはあったでしょう。
湯たんぽの形は、小判型の俵状で、湯口(お湯を入れる口の部分)は、鉄製のものと同じで鉄製の代用品であったことが想像できます。色は、全体的に茶色系統で、写真の資料は少し光沢をもった褐色です。左右の側面部分には「福 福」の文字がありますが、当館以外の博物館所蔵の陶製湯たんぽには見られません。また、湯口側の側面の「福 福」の下に「瀬 828」の黒印があります。この黒印が製造所や製造時期などを示していて、この資料は戦時中に瀬戸(愛知県瀬戸市)でつくられたものとわかります。
室町時代に中国から伝わったという話のある湯たんぽ。江戸幕府第5代将軍・徳川綱吉がつかっていた犬型のものが日光・輪王寺(りんのうじ)に奉納されていることから、少なくとも江戸時代から使われていたことがわかります。県内の博物館や資料館には陶製や鉄製の湯たんぽが収蔵されています。しかし、使っていた様子や製作方法などの記録がないので、いつ頃からどのように使われていたのかなど詳しいことはわかっていません。(FW)

湯たんぽ(上から)
湯たんぽ(横から)
湯口     湯たんぽ(側面)
参考 湯たんぽ(資料番号 1025)
【参考】陶製湯たんぽ(資料番号 1025)
全体に少し光沢のある黒色をしています。湯口のふたは鉄製です。湯口の部分に色のついてない生地の部分があります。
この生地の部分から、この湯たんぽもおそらく瀬戸製のものと考えられます。大きさも本文の資料とほぼ同じです。
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