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三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > ワニ化石

ワニ化石(Crocodilia Fam.gen.et.sp.indet

資料名 ワニ化石(左大腿骨) 登録番号 Fo 1313
学 名 Crocodilia Fam.gen.et.sp.indet 産 地 亀山市布気町
分 類 ワニ目(科属種未定) 層 準 東海層群亀山累層
時 代 新生代第三紀鮮新世
(400万から300万年前)
寸 法 75ミリ×15ミリ×10ミリ
解 説
 現在野生のワニが生息するのは、熱帯から亜熱帯の地域で、日本には生息していません。しかし、三重にワニがいた時代があるのです。その証拠となるのが、今回ご紹介する資料です。この化石は、昭和60(1985)年、亀山市布気町の東海層群亀山累層と呼ばれる地層から発見されました。今から400万から300万年前の新生代第三紀鮮新世に堆積した地層です。亀山市内の鈴鹿川河床に露出している同地層からは、平成19(2007)年8月の調査においても、ゾウ、シカ、大型鳥類とともにワニの足跡化石が発見されています。県内では同時代の伊賀盆地に堆積した古琵琶湖層群からもワニの骨・歯・足跡・糞の化石が見つかっています。東海層群と古琵琶湖層群は、どちらも河川成の地層でミエゾウの化石の産出が知られていますが、他にも大量のタニシや二枚貝、体長2メートルもあるコイやフナなどの魚類、大型のスッポンなどの化石も見つかっています。これらは、日本にいる現生種とは異なり、現在の中国にいるものに近い種です。
 今回の資料は、ワニの左大腿骨で、全長2メートルくらいのアリゲーター科のワニではないかと考えられています。平成7(1995)年に大分県宇佐市安心院(あじむ) の鮮新世の地層から、ミエゾウとともにヨウスコウアリゲーターの化石が見つかっています。亀山市のワニも同種であるかもしれません。
 
このようにワニやミエゾウがいた頃の三重には、現在の中国南部から東南アジアのような熱帯から亜熱帯に棲む生物が多種生息していて、今よりもずっと温暖な気候であったことがわかります。(H)

※ 調査は、亀山市史編さん自然部会地質グループによって行われました。
左大腿骨      側面
左大腿(たい)骨                          同左(側面)
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