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三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > 蓋形埴輪(きぬがさがたはにわ)

蓋形埴輪(きぬがさがたはにわ)

蓋形埴輪(資料1)

資料1




蓋形埴輪(資料2)

資料2
資料名  蓋形埴輪
 (きぬがさがたはにわ)
出土地  飯南郡朝田村
 (現 松阪市佐久米町付近)
時代  古墳時代
 (5世紀後半ごろ)
寸法  1 タテ:200mm ヨコ:140mm
 2 タテ:220mm ヨコ:155mm
 ※いずれも残存長
解説 「古墳」は、およそ1,700年から1,400年前にかけてつくられた地位の高い人や権力者のお墓です。この「古墳」の上や周囲に並べられていた素焼きの焼き物が「埴輪」です。
埴輪は、「円筒埴輪(えんとうはにわ)」と「形象埴輪(けいしょうはにわ)」に大きく分けられます。
「円筒埴輪」は、茶筒のような円筒形の形をした埴輪で、1mを超える大きなものから30cm程度のものまでさまざまな大きさのものがあります。
「形象埴輪」は、さらに家や武器などをかたどった「器財埴輪(きざいはにわ)」や巫女(みこ)や武人(ぶじん)、力士(りきし)などをかたどった「人物埴輪」、馬や犬、鹿、猿などをかたどった「動物埴輪」に分けられます。
写真の資料は、「器財埴輪」のひとつで「蓋形埴輪(きぬがさがたはにわ)」と呼ばれるものの破片です。「蓋(きぬがさ)」は「地位の高い人にさしかける傘」のことで、この破片は蓋の上部につく「立ち飾り」という部分にあたります。両面に骨組み状の線刻(せんこく)がつけられていていて、少しいびつですが長方形の孔(あな)があいています。また、表面には朱(しゅ)が塗られていますが、墨書がある面の朱は、ほとんど残っていません。
資料1には「飯南郡朝田村佐久米俚称中塚 弐個ノ壱」「ミツボ塚」と、資料2には「飯南郡佐久米中塚 二個ノ内二」「ミツボ塚」と墨書があります。「飯南郡朝田村」は、現在の松阪市朝田町や佐久米町付近にあたりますが、「ミツボ塚」と呼ばれる古墳は、松阪市の遺跡台帳には登録されていません。しかし、「佐久米(さくめ)古墳群」という古墳群が佐久米町地内にあります。「大塚山古墳」「丸山古墳」「糠塚古墳」の3基で構成されています。資料に「中塚」と墨書されていることから写真の資料はこの古墳群の真ん中に位置する「丸山古墳」から出土したものと推定されます。(FK)
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