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三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > イシウス(石臼)

イシウス(石臼)

資料名 イシウス(石臼) 資料番号
寸  法
  421(亀山市)
 径:365ミリ 臼:170ミリ
 1211(津市河芸町千里)
 径:375ミリ 臼:205ミリ
時 代 昭和時代
解 説


 石臼は、昭和20年ころまで、県下のほとんどの家庭で米や麦、豆類などを中心に粉挽き用に使われていました。ところが、現在、多くの石臼はその役割が終わったためか、盆裁の台、漬物石、敷石として並べられているのがよく見かけられます。しかし、この道具にも人類の凝縮された知恵がみられるのですが、子供たちには、名前や使用の方法も忘れ去られようとしています。
 資料の石臼は、亀山市や津市河芸町内で使用されていたものです。その形態は、両方とも「竹たが締め形式」で、反時計回りの「正常臼」と呼ばれるものです。臼の溝が、421(亀山市)は6分画、1211(河芸町千里)は8分画に刻まれています。芯は、つめ木に芯棒の芯受け鉄がみられ、下臼を貫通しています。今は、鉄の芯が腐食し、芯を差し込む木の部分も腐って崩れているため実用に供しない状況となっています。
 こうした石臼は、石臼の目が磨り減ってしまうと、町から臼の目を刻む職人が、季節的に回ってきたり、地元の石屋が刻んで補修していたという報告が伝えられています。
 なお、県下の石臼は、松阪以南から尾鷲地域でも確認されている上臼の横に穴を開けて、挽き木を回す「横打ち込み式」のものが多く見られます。こうした形式の石臼は、近畿地方に多い形式のようです。また、上記の「竹たが締め形式」は、関東地方に多く見られるものです。県下の石臼の特徴としては、中北勢地域の関東系のものと、松阪以南の近畿地方のものがあり、石臼も県下では東西の接点にも位置していることが知ることができます。(FW)

石臼(421)   石臼(1211)
421                            1211
石臼(421)
421(左:上臼 右:下臼)
石臼(1211)
1211(左:下臼 右:上臼)
石臼(部分名称)
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