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三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > 伊勢木綿見本帳

伊勢木綿見本帳(いせもめんみほんちょう)

伊勢木綿見本1


伊勢木綿見本2


伊勢木綿見本3
資料名  伊勢木綿見本帳
 (いせもめんみほんちょう)
時代  昭和30年代
寸法  タテ:6寸(183mm)
 ヨコ:2寸(62mm)
解説 「伊勢木綿(いせもめん)」という呼び方は、江戸時代の初め、伊勢商人たちの地元木綿の商品化でその名がつけられ、取り扱う木綿の総称となりました。江戸時代中ごろ伊勢商人の中から松阪商人と呼ばれる人たちが登場します。この松阪商人の台頭によって、いままで、すべて「伊勢木綿」と呼ばれていたものが、「松阪木綿(まつさかもめん)」と呼ばれるものがあらわれて、「伊勢木綿」と区別するようになりました。これ以降、伊勢木綿と松阪木綿は常に張り合うようになりました。特に明治時代には、津の商人や木綿製造業者が努力して、伊勢木綿が松阪木綿をしのぐようになります。この時の企業努力の跡が記録や伝承などで知ることができます。
写真の見本帳は、津市一身田(つしいしんでん)で衣料商を営んでいた「細野道蔵商店」のものです。布には、それぞれ番号がつけられていて(67番までありました)、この番号で一身田町内の製造元に注文をしていました。木綿の特徴は、濃紺地にグリーン系と小豆色系に白糸で挟むような縞筋(しますじ)で構成されていて、伊勢木綿の染色をよくあらわしています。この包みは、すべて色糸の幅や間隔、地色の占める位置を変えての構成で、この縞帳がつくられています。また、伊勢木綿は、すべて化学染料を使って染色しているので色落ちが少なく、堅ろうで明るい色合いを感じ取れるのが、業者の自慢だったとの聞き取りもあります。こうした伊勢木綿は、津市一身田が明治以降、機織りの中心地であり、この木綿も同地で染織されたものです。現在は、「臼井織布株式会社」の1軒だけが営業を続けていて、伝統的な伊勢木綿と現在にマッチした木綿の製造をしています。(FW)

【更新履歴】
2018/10/30 更新
ページID:000061486