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三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > 氷型冷蔵庫

氷型冷蔵庫

資料名 氷型冷蔵庫 資料番号 1505 時代 昭和
寸法 本体部   幅:41.8cm 高さ:69.0cm 奥行き:37.5cm
庫内上段部  たて:19.5cm よこ:42.0cm 奥行き:34.0cm
庫内下段部  たて:37.5cm よこ:42.0cm 奥行き:34.0cm
解説

今回紹介する冷蔵庫は、昭和30年代(今からおよそ60年前)まで南牟婁郡紀和町(みなみむろぐんきわちょう・現在の熊野市紀和町)で使用されていた氷型冷蔵庫です。
現在、冷蔵庫といえば、電気で庫内を冷やし、中の食品を保存する「電気冷蔵庫」ですが、その電気冷蔵庫が普及する以前に使用されていたのが、氷で庫内を冷やす「氷型冷蔵庫」です。
アメリカでは、すでに19世紀半ば(今からおよそ170年前)から使用されていましたが、日本で本格的に普及し始めるのは明治40年(今からおよそ110年前)ごろからです。
氷型冷蔵庫は、基本構造は木製の箱ですが、内外面にブリキやトタンなどを貼り、断熱効果が得られるように工夫されています。(写真の冷蔵庫は、ブリキを貼っています)上下2段に分かれていて、食品は下の段に、氷は上の段に入れ、その氷の冷気で内部を冷やしました。冷やすといっても内部の温度は10度前後にしかならなかったようです。氷は、1日でおよそ1から2貫目(かんめ・1貫目は、およそ3.75kg)が使用され、氷屋が各家庭にリヤカーで配達していました。明治にはいるまでは、わらやおがくずで氷を覆い、涼しい穴室(あなむろ)で保管する「氷室(ひむろ)」で氷を貯蔵していたので、、身分の高い一部の人にしか手に入れることができなかったのですが、明治以降、大量生産ができるようになり、一般の人々にも身近となりました。
電気冷蔵庫が広く普及する昭和30年代まで氷型冷蔵庫は使用されますが、値段が高価なこともあり、どこの家庭でも見かけるというものではありませんでした。また、現在の冷蔵庫のように一年中使用していたわけではなく、夏にのみ使用されていました。(U)

氷型冷蔵庫  氷型冷蔵庫(扉開放)
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