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三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > 舞楽図巻(ぶがくずかん)

舞楽図巻(ぶがくずかん)

資料名 舞楽図巻(ぶがくずかん) 資料番号 166
時 代 江戸時代 寸 法 たて:  33.6cm
よこ:1370.0cm
解 説

 舞楽(ぶがく)は、中国や朝鮮から伝わって、平安時代に宮中の式楽として整えられた舞(まい)を伴う音楽のことで、雅楽(ががく)の一種です。雅楽には、舞がなく楽器のみの演奏の場合は、管弦(かんげん)と呼ばれました。
 雅楽の演奏には、笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・龍笛(りゅうてき)などの管楽器、鉦鼓(しょうこ)・太鼓(たいこ)・鼓(つつみ)などの打楽器、琴(きん)・琵琶(びわ)などの弦楽器が使われます。しかし、舞楽では弦楽器を使わずに管楽器と打楽器のみで演奏されます。
 舞楽は、中国系の唐楽(とうがく)と朝鮮系の高麗楽(こまがく)とにわけられ、それぞれ左方(さほう)、右方(うほう)と呼ばれています。舞には、数人でゆったりと舞う「平舞(ひらまい)」・剣や鉾を手に勇壮に舞う「武舞(ぶまい)」・動きが躍動的な「走舞(はしりまい)」・子どもが演じる「童舞(わらべまい)」などの種類があります。演目は、左方と右方が対(つい)になった「番舞(つがいまい)」で構成されるのが本来的で、装束の色も左方が赤色系の、右方が緑色系のものを身にまとい、視覚的にも対になる形となっていました。
 当館所蔵の「舞楽図巻」は、このような舞楽の演目44種の図様が、左方・右方の番舞の形式で交互に描かれた絵巻です。舞楽の始めに必ず演じられる演目で、中国古代の周の武王の活躍にちなんだ「振桙(えんぶ)」を冒頭に、毬杖(ホッケーに似た古代の遊び)に興じる所作がみられる「打球楽(だきゅうらく)」、子どもの演じた可愛らしい「胡蝶(こちょう)」、『源氏物語』「紅葉賀」巻で光源氏と頭中将が二人で競演した演目としてよく知られる「青海波(せいかいは)」などの多彩な演目が、鮮やかな彩色でリズミカルに描かれています。これと近似した図様の舞楽図は、本作品の他にも複数伝存していて、江戸時代には図柄が定型化して制作されたことがわかります。
 舞楽は、京都の公家文化を基盤に中世・近世を通じて受け継がれ、現在でも宮中(宮内庁式部職楽部)をはじめ、伊勢神宮・熱田神宮・大阪四天王寺などの寺社で奏演されています。
 本資料は、このような舞楽の歴史を美術的な観点から楽しむことができるばかりでなく、わが国の伝統文化を解明し、継承するための資料としても貴重なものです。      (A)

振桙(えんぶ)
振桙(えんぶ)
打球楽(だきゅうらく)
打球楽(だきゅうらく)
胡蝶(こちょう)
胡蝶(こちょう)
青海波(せいかいは)
青海波(せいかいは)
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