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三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > アサギマダラ(P arantica sita)

アサギマダラ(P arantica sita

資料名 学名
P arantica sita
和名
アサギマダラ
資料番号 チョウ-74(箱番号)
分類 節足動物門
昆虫網
チョウ目
タテハチョウ科
マダラチョウ亜科
寸法
(開長)
オス:82mm

メス:92mm
採集日 オス
平成3(1991)年7月9日

メス
昭和62(1987)年2月1日
※幼虫で採集 5月2日に羽化
採集地 オス
津市美杉町(旧一志郡美杉村)平倉

メス
北牟婁郡紀北町紀伊長島区
  (旧北牟婁郡紀伊長島町)大島
解説 アゲハチョウほどの大きさのやや大形の種類です。羽に淡いあさぎ色のまだら模様があることから名前がつけられました。このまだら模様の部分には、りん粉(りんぷん・羽の模様を形づくる細かい粉)がほとんどないため、半透明に透き通っています。
オスの後ろ羽には、黒い染みのような模様がありますが、メスにはありません。また、オスの腹は上側も下側もこげ茶色をしていますが、メスの腹は下側だけが白くなっています。
フワリフワリと飛ぶ様子が優雅で、羽の模様とともにとても印象に残るチョウですが、鳥などのえさになることは、ほとんどありません。それは、体内に毒をもっているからです。毒といっても誤って食べた鳥が嘔吐する程度で、人がさわってもまったく問題はありません。この毒は、幼虫の時に食べるキジョラン(ガガイモ科)の葉や成虫になって吸うヒヨドリバナ(キク科)の密に含まれるアルカロイドが体内に蓄積したものといわれています。また、最近の研究では、このアルカロイドがアサギマダラの性的な成熟に欠かせない物質だということがわかってきました。
また、1980年代ごろからアサギマダラの生活史を調べる調査が進められ、秋になると沖縄や台湾まで「渡り」をすることが明らかになりました。さらに詳しい調査によって、春には台湾・沖縄方面から徐々に北上することやその移動距離が約2,000kmを超えることもわかってきました。
三重県内では、初夏から秋にかけて見られ、夏の間は主に山地で生活していますが、秋になると低地に降りてきます。また、10月ごろには、鳥羽市神島や紀伊半島沿岸地域で集団になっている様子が見られます。このような地域で集団が見られるのは、本州中部方面から集まったアサギマダラの「渡りの中継地点」になっているからと考えられています。
現在行われている調査方法は、「マーキング調査」と呼ばれ、アサギマダラを捕獲して羽のあさぎ色の部分に「日付・場所・捕獲者など」の記号を油性ペンで書き込んで放し、再捕獲された情報を集約する方法です。
アサギマダラの生態には、まだわからないことが多く、全国的規模でマーキング調査が続けられています。特に最近では近隣の国々も調査に参加するようになりました。だれにでも簡単に協力できる調査です。ぜひ、あなたも参加してみませんか。(I)
アサギマダラ(オス) 腹下部(拡大)
              オス                          腹下部(拡大)  
アサギマダラ(メス) 腹下部(拡大)
              メス                          腹下部(拡大)  
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