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三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > ニホンアマガエル

ニホンアマガエル(Hyla japonica

ニホンアマガエル

ニホンアマガエル(鼻先から目の後ろ側までのびる黒い模様が特徴です)



アマガエル(腹側)

指先には吸盤が発達しています
資料名

 ニホンアマガエル

学名  Hyla japonica
分類  両生綱

 カエル目

 アマガエル科
保存
方法
 含浸標本
解説  
 2008年は国際カエル年でした。「国際カエル年」とは両生類の保全につとめる世界的キャンペーンで、国際自然保護連合(IUCN)と世界動物園水族館協会(WAZA)が提唱したものです。カエルやサンショウウオなどの両生類が危機的状況にあることをふまえ、1年を通して様々な活動を行い、両生類が生息し続けることのできる環境の保全につとめるというものです。

三重県に生息する両生類は22種で、そのうちカエル目に属する種は15種います。今回は、この「国際カエル年」にちなんで、カエルの中でも身近な存在である「ニホンアマガエル」をご紹介します。

ニホンアマガエルはずんぐりとした2~4㎝程度の小型のカエルで、北海道から九州までの離島を含め、海岸部から高山帯付近にまで幅広く生息しています。顔には、目の後ろ側までのびる黒い帯状の模様があり、シュレーゲルアオガエルやモリアオガエルなどの他種と区別することができます。四肢の先には発達した吸盤があり、英語でも「tree frog」と名付けられているように木登りを得意とし、5月~7月の繁殖期以外は庭の植込みなど、低木の上で過ごします。時には、家のガラス窓や自動販売機などにはりついて電灯の光に集まる虫を捕らえる姿も見ることができます。また、体の色を緑色や灰色など、周囲の色に合わせて変えることで外敵から身を守っています。すぐ近くにいても意外と気が付かないのはこのためです。

カエルの仲間の多くは、繁殖期にオスがメスを求めて鳴くのに対して、アマガエルは湿度の変化を肌で敏感に感じとり繁殖期に関係なく、雨の降る前にのどを風船のように大きくふくらませて鳴きます。雨の日にゲロゲロ鳴くイメージから「アマガエル(雨蛙)」と名つけられたのかもしれせん。

もうすぐ田植えのシーズンです。田んぼに水が入るとオタマジャクシが育ち、カエルの大合唱が始まります。アマガエルも「クワッ、クワッ」と体の割に大きな声で鳴くことでしょう。近年、世界各地で、「ツボカビ症」がまん延し、カエルの仲間は急激に減少しています。日本ではまだ、野生での「ツボカビ症」発症は確認されていませんが、この病気によってカエルの仲間は絶滅の危機に瀕することになるかもしれません。「♪カエルのうたが聞こえてくるよ……」このなにげない光景が永く続いてほしいものです。(TM)

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