このページではjavascriptを使用しています。JavaScriptが無効なため一部の機能が動作しません。
動作させるためにはJavaScriptを有効にしてください。またはブラウザの機能をご利用ください。

三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > オオムラサキ

オオムラサキ(Sasakia charonda charonda (Hewitson

資料名

オオムラサキ


(写真1)オオムラサキ:オス


(写真2)オオムラサキ:メス


(写真3)オオムラサキ:メス(裏側)


(写真4)オオムラサキ:幼虫
学 名 Sasakia charonda charonda (Hewitson, 1863)
分 類 昆虫網 チョウ目 タテハチョウ科
採集日

オス(写真1)1997年1月14日幼虫採集→
        1997年6月12日羽化.

メス(写真2)1996年12月22日幼虫採集→
        1997年6月13日羽化

採集場所 オス(写真1)上野市西山御斉峠
メス(写真2)名張市赤目町
大きさ

オス(写真1)開長:85mm
メス(写真2)開長:103mm

解 説  今回紹介するチョウは、愛好者たちの間で「国蝶」としても知られているオオムラサキです。
 オオムラサキの和名は、漢字で書くと「大紫」となります。大きな紫のチョウという意味で、その由来は、オス(写真1)の表側(開いた時に見える面)の翅にあります。チョウの仲間としては大型で、オスは翅を広げると約90mm、表側の中央は光沢のある青紫色で、その中に白色斑がちりばめられ、周辺は黒褐色で大小の黄色斑が点在しています。メス(写真2)は、オスより大きいですが、翅の表側に光沢のある青紫色はなく、黒褐色の地に白と黄の斑があるのみです。翅の裏側は地域によって違いがみられ、関東以北産のものは黄色で、日本の西南部産では銀白色となります。三重県の個体は、銀白色にやや黄色がかかった色(写真3)であり、両者の中間的な特徴が見られます。
 オオムラサキが「国蝶」と呼ばれているのは、国の法律で定められているわけでありません。オオムラサキが梢近くや木のまわりを力強く雄大に飛ぶ姿と、青紫色に輝くオスの翅が大変美しいことから、チョウの愛好者の間でオオムラサキを「国蝶」とする気運が高まり、1957年に昆虫学会によって決められたものです。「国蝶」といっても日本固有種ではなく、日本以外でも、中国大陸、朝鮮半島、台湾に広く分布しています。
 国内では北海道南部、本州、四国、九州で見られ、三重県では、伊賀地域や中勢地域の丘陵部を中心に記録されています。

 オオムラサキが生息する環境には、丘陵地から低山で見られる甘い樹液を出すコナラ、クヌギなどの落葉広葉樹と、幼虫期のエサとなるエノキが生えていることが必要です。成虫は、年1回、6月中旬から8月上旬に出現し、クヌギ・コナラの樹液を好み、夜間、灯火の光に飛来することもあります。オオムラサキのメスは、卵をエノキに産み付け、幼虫は、エノキの葉を食べて成長しています。秋が深まったころにエノキの幹を伝って地上へおり、地面につもった落葉中で越冬します。(写真4)春になると若葉のエノキを食べ、幼虫は60mmほどの大きさまでに成長します。蛹になる場所は、エノキの葉裏で、自ら出した糸に腹部の先端を引っかけてぶら下がるようにして蛹化します。2週間ほどで蛹から羽化して成虫となります。
 近年、オオムラサキは、全国的に減少しています。理由として生息環境である雑木林が、スギの植栽に替えられたり、宅地開発などで林そのものが失われてきたことによります。そのため環境省では、準絶滅危惧種に上げられ、三重県でも「三重県レッドデータブック2005」に準絶滅危惧種に、挙げられています。オオムラサキの生息出来る環境は、人の手によって管理されてきた雑木林(里山林)です。このような場所は、をこれからも残していきたいものです。(I)
ページのトップへ戻る