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三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > ベニカミキリ Puepuricenus (Stemoplistes) temminckii (Guerin-Meneville)

ベニカミキリ(Puepuricenus (Stemoplistes) temminckii (Guerin-Meneville)

資料名 ベニカミキリ 写真1
(メス)
学 名 Puepuricenus (Stemoplistes) temminckii (Guerin-Meneville)
分 類 昆虫網 コウチュウ目 カミキリムシ科
採集日 2008年12月20日
採集場所

三重県津市上浜町(新博物館予定地)
モウソウチクの枯れ材より掘り出す

体 長
17mm
解 説 ベニカミキリは、和名からもわかるように体の表面は鮮やかな紅色をしているカミキリムシです。体色の紅色は、昆虫を補食する動物に毒を持っていると思わせる警戒色でもあるのです。実際には、毒を持たないですが、身を守るために毒を持っているように見せかける擬態(ぎたい)の姿なのです。
 ベニカミキリは、日本では北海道・本州・四国・九州・伊豆大島・佐渡・隠岐・壱岐・対馬に分布しており、国外では朝鮮半島、中国、インドシナに分布しています。県内では、平地から低山地にかけて広く見られます。
 オスとメスの区別は、触角の長さの違いで見分けることができます。オス(写真1)の触角は、体長の1.5倍ほどあり、メス(写真2)は、体長とほぼ同じです。
 幼虫のエサとなる植物は、枯れたモウソウチクやマダケなど肉質の厚いタケです。タケに直径5mmほどの丸い穴がいくつかあいている枯れたタケを見かけることがありますが、この丸い穴は、幼虫が糞を外へ出すための脱糞(だっぷん)孔なのです。冬にその穴の近くを削ると、タケの幹の肉質部に幼虫があけた空洞があって、その中に成虫になっているベニカミキリがいます。触角にサナギの殻をくっつけたままの個体を見ることもあります(写真3)。春を待って竹の中から脱出する準備をしていたかのように、4月から5月にかけて成虫が出現します。成虫は、ネギ坊主(ネギの花)やクリの花に集まります。
 この冬の時期にモウソウチクやマダケの生える竹林に出かけて観察をしてはいかがでしょう。きっと春に向けて準備をしているベニカミキリの成虫に出会えることでしょう。(I)
写真2
(オス)
写真3

越冬中のベニカミキリ
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