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三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > イグアノドン足跡化石 Iguanodontids foot-print

イグアノドン足跡化石(Iguanodontids foot-print)

資料名

 イグアノドン足跡化石(レプリカ)

 Iguanodontids

登録番号 Fo1811
分 類  は虫綱 鳥盤目 鳥脚類 
 イグアノドン科
産 地 三重県鳥羽市安楽島町砥浜
時 代  中生代 白亜紀前期  
解 説

1996(平成8)年、鳥羽市安楽島の海岸で恐竜トバリュウの骨化石が発見され、大規模な発掘調査が行われました。このトバリュウについては、「スタッフのおすすめ 第20回」に掲載しています。その2年後、トバリュウ産出地点の西方約15mの地点で今度は恐竜の足跡化石が見つかりました。足跡は3本指で、その形態や大きさなどからトバリュウのものではなく、鳥脚類のイグアノドン科のものと考えられています。

イグアノドン科の恐竜は、世界各地から化石が産出していて、国内でも福井県で見つかったフクイサウルスがこのなかまです。また、鳥羽と同じ西南日本外帯に位置する徳島県勝浦町では、イグアノドンの歯の化石が見つかっています。

スタッフのおすすめ 第127回」には、中国 内モンゴルで見つかったイグアノドン科のプロバクトロサウルスの全身骨格を掲載していますが、ほぼ同時代であることから、鳥羽で見つかった足跡の主もこのような恐竜だったのではないかと推察されます。

足跡化石とトバリュウの骨化石が産出した地層は、松尾層群と呼ばれる白亜紀前期(1億4500万~8500万年前)に堆積した地層です。足跡化石の産出場所周辺には小断層が多数生じているため、トバリュウ化石を産出した地層との厳密な層序関係は不明ですが、ほぼ同じ層準とみられ、地層中の鉱物を用いた年代測定では、1億3800万年±700万年前という結果が得られています。

足跡は、黒色シルト岩に45cm前後の2個の突出部として現れています。足跡であるのに、くぼみではなく凸型で現れているのは、地殻変動によってイグアノドンが踏んだ地層の裏側が現れているからです。2個の足跡のうち1個は、小断層によって一部分断されています。この足跡化石は今も現地に保存され、当館ではそのレプリカを作成し、展示等に活用しています。


イグアノドン足跡化石(レプリカ)↑

イグアノドン足跡化石(現地写真)
         「鳥羽の恐竜化石 三重県鳥羽市産恐竜化石調査研究報告書」より
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