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三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > アカウミガメ Caretta caretta

アカウミガメ(Caretta caretta

資料番号 213  Re01−01−01(03)
アカウミガメ(個体1)

アカウミガメ(個体2)
資料名

アカウミガメ

学名  Caretta caretta
分類 は虫綱 カメ目 ウミガメ科
計測値 【個体1】 甲長44.4o 甲幅36.2o
【個体2】 甲長43.0o 甲幅37.2o
採集日 2008年9月11日
採集
場所
三重県津市河芸町東千里
個体数 2個体
保存
形態
液浸標本
解説

今回は、今年生まれたアカウミガメの赤ちゃんをご紹介します。

アカウミガメは甲羅の大きさ(甲長)が70p〜100pにもなる大型のウミガメで、太平洋、大西洋、インド洋などの熱帯域から温帯域かけての海域と地中海などに分布しています。日本では福島県以南の太平洋沿岸や南西諸島などの砂浜に、産卵のために上陸し、三重県でも伊勢湾岸から熊野灘沿岸にかけての砂浜にやってきます。ウミガメの仲間のうち、主に本州や四国、九州などの沿岸で産卵を行うのはアカウミガメだけです。産卵は5月頃から8月頃にかけて行われ、雌は夜間に砂浜に上陸すると深さ約50pの穴を掘り、その中に卵を産みます。1頭の雌が1シーズンに数回産卵を行い、1回の産卵数は120個前後です。約2ヶ月後、卵からふ化した小さな子ガメたちは力を合わせて砂から這い出し、海に向かって歩きだします。海にたどりついた子ガメは海流に乗り、かなりの距離を回遊しながら成長してゆくようです。

写真の標本は、津市河芸町の田中川河口の干潟を中心にさまざまな生き物の調査や保護活動を行っている「田中川の生き物調査隊」の方が、海岸漂着物を取り除く作業中に漂着物の中から発見したものです。この子ガメはふ化後、海岸の漂着物に行く手を阻まれ、海までたどりつけなかったようです。アカウミガメの子どもたちは体が小さいため、わずかな障害物でも乗り越えることが困難です。波打ち際を延々とつながるヨシなどの植物の残骸や流木、ゴミなどの漂着物は、子ガメにとって大きな壁となります。また、子ガメたちの試練は他にもあります。ふ化した子ガメたちは光の刺激によって海に向かうと考えられています。通常であれば、海の方が陸よりもわずかに明るく、明るい方に向かうと海にたどり着くことができます。しかし、外灯などの照明により陸地の方が海よりも明るくなると子ガメは陸地の方へ向かってしまい、海にたどり着くことができなくなってしまうのです。

三重県内には、ふ化の時期に産卵場所の漂着物を除く作業や、アカウミガメの産卵数などを調査し、卵を保護するなどの活動を積極的に行っている団体がいくつかあります。先日、新聞で、今年の伊勢志摩地域の沿岸で確認された産卵巣の数が、1988年に地元の活動団体が調査を初めて以来、最も多く見つかったと報道されました。このような知らせは本当にうれしいものです。三重の自然を再認識し、豊かな海とアカウミガメが安心して産卵できるような良好な砂浜をこれからも維持していきたいものです。(TM)

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