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三重県総合博物館 > コレクション > スタッフのおすすめ > タヌキ

タヌキ(Nyctereutes procyonoides(Gray

資料名

 タヌキ

採集場所

三重県松阪市小阿坂町

学名  Nyctereutes procyonoides(Gray,1834) 保存方法 はく製標本
分類

哺乳綱 ネコ目 イヌ科

性別 メス
解説

 

タヌキと言えば、『かちかち山』などの昔話にも登場し、私たちにとってなじみのある動物です。平安時代中期につくられた辞書である「倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」には「太奴木(たぬき)」とあり、その頃からすでにタヌキと呼ばれていた様子がうかがえます。また、タヌキは漢字で「狸」と書くように、里のけものとして古くから人里付近に生息し、人との関わりの深い動物です。
タヌキは、頭からお尻までの長さ(頭胴長)が50~60㎝程度、尾の長さ(尾長)が15㎝程で、キツネなどに比べると四肢が短く、ずんぐりとした体型をしています。タヌキの毛色は地方や季節によって多少違いがあり、三重県では、冬毛は黄褐色を帯び、ほおからのど、胸までと、四肢と耳の外縁、背中と尾の背面は黒褐色になります。毛は長くふさふさとしています。
平地から山地まで広く分布しますが、里山の雑木林などに多く生息しています。住宅地などに残飯を求めて現れることもあります。タヌキは、雑食性で主に夜に活動し、甲虫やムカデ、ミミズやネズミ、カキやミカンなどを食べています。なわばりの範囲はそれほど広くなく、互いに重なり合っているため、エサのたくさんあるところには複数のタヌキがくらしているようです。親子、あるいは家族で近い距離に集まって生活し、糞をする場所が数か所決まっています。数匹が同じ場所で排泄を行うため、「ため糞」と呼ばれる糞だまりができます。この「ため糞」は個体間や家族集団間のなわばりを識別するなどの役割があると考えられています。これはタヌキが生息している証拠であり、主なフィールドサインの一つです。また、足跡もタヌキが生息しているかを調べる手がかりとなります。タヌキの足跡は、幅3㎝ほどで丸みを帯びていて、一見するとネコの足跡のように見えますが、ネコの足跡には爪跡が付かないのに対して、タヌキの足跡は、指先に4つの爪跡がはっきりとつきます。(TM)
写真①
写真②

写真③タヌキの右前足(裏)
 
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